丈夫なSMASの作り方

フェイスリフトといえば、いまやSMAS法が標準になっていますが、その具体的な手術のやり方についての知見です(SMASとはSuperficial musculo-aponeurotic systemの略、SMAS法によるフェイスリフトはこちらを参照)。

SMASは患者さんによっては、はっきりしないことがあり、SMASだと思ってどんどん剥離していったら、ぺらぺらでとても牽引できるとは思えないような代物だったり、逆に脂肪に埋もれてSMAS本体がよくわからなかったり、で一定のSMASを作成するのは結構難しいものです。

一般の方にもわかりやすいようにたとえていうと、SMASによるフェイスリフトは顔面を3枚おろしにするようなものです。ちょっと不謹慎かもしれませんが、魚の3枚おろしを想像してください。しかも身の部分を3枚におろすのです。

3枚とは、浅いところから皮膚・皮下脂肪、SMAS・広頚筋、深部脂肪組織・顔面神経層となっています。

難しいのは、第1層の皮膚・皮下脂肪と第2層のSMAS・広頚筋の間にランドマークがなくて非常に分かりにくく、それが原因で一定の厚さのSMASが得られにくいことです。

そこで私がここ7~8年行っている、確実にしっかりしたSMASを作成する方法についてです。

まず耳前切開から皮下剥離を数cmします。その次にSMAS下に入ります。広範囲に皮下剥離する前に、です。第2層と第3層は比較的わかりやすいので、まずここをできるだけ広く剥離します。ここで気をつけたいのはやはり顔面神経ですので、SMAS・広頚筋の直裏を剥離します。深部脂肪組織を下に落とすように剥離するのがコツです。

それが終わってから、SMASを牽引しながらSMASと皮下脂肪の間を、SMASが薄くなりすぎず、厚くなりすぎず、微妙な層を剥離していきます。

こうすれば、どんな患者さんにも一定の丈夫なSMASができるようになります。

この手術のやり方のもう一つの利点は、皮膚そのものも薄くなりすぎず、皮膚壊死を起こす可能性が少なくなることです。血行がいいので、1週間で抜糸ができます。

一度トライしてみてください。Good Luck!

美容外科・美容皮膚科
八事石坂クリニック

八事石坂クリニックは、患者さまと末永くおつきあいできるクリニックを目指しております。

名古屋駅前院
052-589-1382
9:30~18:30(日曜・祝日休診)

八事院
052-861-1929
9:30~18:30(日曜休診)

東京院
 03-6384-5805
10:00~19:00(日曜休診)