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下眼瞼下制術について

この手術のかなめになる「CPF」と瞼板を正確に同定し縫合固定するのはなかなか難しいことだと書いてきました。

このステップをいい加減に行うと必ず術後の戻りがおきます。

この二つを容易に同定し術後の腫脹も軽減する方法は、平行に2か所の切開をおく、というやり方です。

どこを切開するかは前回の記事を読んでください。

そのあとでこれら平行の粘膜切開創の間の粘膜下を最小限剥離して縫合糸を通し、CPFと瞼板を縫合固定します。

その結果「 bipedicle mucosal flap(BMF)」ができることになります。

形成外科専門医であればすぐにイメージできると思います。

やってみるとあっけないほど簡単にそして確実に「下眼瞼下制術」を行うことができます。

結果的にできるこのBMFはそのまま浮いた状態にしていおいてかまいません。

切除する必要はありませんし、万が一元に戻す場合にこの粘膜が使用できるかもしれません。

この方法であれば、数か所を繊細に縫合固定することができるので下瞼の形を思うように調整しながら作ることもできると考えています。

この手術で安全確実に「たれ目」にして、術後1か月ぐらい経過を見て戻りがなければ皮膚側の余剰皮膚切除を行う、という従来の手順は守った方が安全です。

前回の続きです。

まずCPFの確認の仕方です。

これは下斜筋の遠心側にある膜状の組織ですので、まず素早く下斜筋を同定することが必要です。

これには粘膜切開の部位を円蓋部に置けばすぐに見つけられます。

ところがここに切開を置くと瞼板の下端を見つけるのに延々と粘膜下を剥離することになります。

これを実際に行ってみるとかなり難しく粘膜がボロボロになってしまう可能性があります。

もともとどこが粘膜でどこが組織かわかりにくいのに一定の層で粘膜下を剥離するなどという処置は神業です。

逆に瞼板の下端をしっかり同定するには、できるだけ瞼縁に近いところに切開を置くとわかりやすいのですが、これをすると今度はCPFを同定するのに同じように延々と粘膜下を剥離するか、眼窩脂肪側からアプローチするなど遠回りをしないといけなくなります。

当然剥離範囲がとても大きくなり、術後の粘膜浮腫が半端でなくなります。

このように粘膜切開の部位をどこに置くかはこの手術の天王山になります。

これを解決する方法が今回の新しい下眼瞼下制術のキーポイントになります。

さあー、いよいよ次回はこのキーポイントの秘密を明かしますよー。

(ひっぱりますねー、笑)

最近は鼻の記事が多くなってしまったので久しぶりに瞼の話題を少し書いていきます。

瞼の手術で比較的難しい手術の中に「下眼瞼下制術」という手術があることは過去に何回か書いてきました。

まずは粘膜側を十分下げて、その術後の戻りがないことを確認してから皮膚切除という順番で手術を行うことも書いてきました。

この最初の手術である粘膜側を下げる手術について、キーポイントとなるのがCPF(Capsulopalpebral fascia)です。

もう一つ忘れてはならないのが、下眼瞼の瞼板です。

この瞼板をCPFに縫合固定することで、下眼瞼を下げることができます。

しかし、下眼瞼の瞼板は上眼瞼に比べて少し小さいのでCPF同様なかなか同定しずらいものです。

ようするに下眼瞼下制術の難しいところは、同定がむずかしい二つの組織(CPFと下眼瞼瞼板)を縫合固定しなければならないところにあるといえます。

術後の戻りが多いといわれているこの手術ですが、その原因もおそらくこの二つのうちのどちらか、もしくは両方とも正しく同定・縫合固定されていないことが原因なのではないかと思っています。

そんな状況の中で、これらを簡単に早く見つけて確実に縫合固定できる方法はないものかと工夫してきた結果、やっとその方法を確立できました。

その詳細を次号以降で書いていきます。

下眼瞼下制術に関連する話題を続けます。

具体的な手術の話を進める前に術後の経過についても書いていこうと思っています。

実はこの手術のダウンタイムは、上眼瞼の手術よりも長い傾向にあります。

この手術や目じり切開など、瞼の外側に手術が及ぶケースでは眼瞼全体のリンパの流れが遮断されることが原因で結膜の浮腫が生じます。

腫れの主体が結膜に生じるので、化粧などで隠すことができないなど案外患者さんが苦労されるようです。

今までこの腫れが最も長かった患者さんで3週間、通常は2週間ぐらいがダウンタイムになります。

ダウンタイムが3週間に及ぶとさすがに患者さんも我々も少し心配になってきますが、ある日を境に急激に腫れが収まってきます。

リンパの流れが正常化すると腫れが収まりそれがさらにリンパの流れを促進する、という好循環が成り立って上記のような経過になると思われます。

このダウンタイムを短縮するための方策を現在検討中です。

一つは、この手術にともなう手術侵襲をいかに減らすか、もう一つは術後の有効なケア、です。

下眼瞼下制術の続きです。

この手術は下瞼を下げることになりますが、皮膚側を切除するかどうかという問題があります。

皮膚を切除して縫い縮めることは、本当の意味で瞼を下げていることになりませんが、逆睫毛を改善することができます。

手術的にはとても簡単でダウンタイムも短いのですが、切除幅が大きすぎると下眼瞼外反になり修正が難しいことになります。

瞼板をCPFにとめて瞼を下げる手術と同時にこの皮膚切除を行った場合、術後の瞼の下がりの戻りがおきると相対的に「皮膚切除オーバー」になり下眼瞼外反状態になります。

こういった理由で、私の場合下眼瞼下制術と皮膚切除を同時に行うことはしていません。

話がそれましたが、下眼瞼下制術の術後戻りの原因については、前回から申し上げている確実なCPFの同定と瞼板の確実な固定がキーポイントになります。

CPFを同定するうえで一番大事な解剖学的ランドマークは下斜筋になります。

下斜筋は外眼筋の一つで、眼球を外方回旋 上転外転などの作用があります。

下斜筋へのアプローチには、瞼結膜と球結膜の境目を切開するのが一番の近道になり、眼球を上転位にするとさらにわかりやすくなります。

下斜筋を確認したあとこの筋体よりも眼窩脂肪寄りの筋膜で引っ張り上げたときに少し抵抗がある筋膜が下制術に必要なCPFになります。

この図では、瞼板寄りから結膜切開してアプローチしていますがこれだと眼球の奥に向かって剥離していく必要がありCPFを見つけるのがやや困難になります。

ただし瞼板をしっかりCPFにしっかり固定するためにはこの図のように瞼板近辺での切開が有利です。

このことからわかるようにこの手術では、結膜のどこを切開するかが重要になります。

以降は次回で

瞼の手術の中で最も難しいといわれている「下眼瞼下制術」の続きです。

この手術は術直後は下がっても後戻りの可能性がありますから

術者は・・・

術直後は一過性に下げることができたとしても、術後の後戻りに関して1か月~3か月ほどは注意深く経過を見ていく必要があります。

この手術においても術後経過を追っていかないと確実な結果を出せる手術を身に着けることは難しいと思われます。

患者さんは・・・

クリニック選びで術前術後写真を参考にする場合は術後何か月経過した写真であるかを見る必要があります。

 

実際の手術で難しい点は、Capsulopalpebral Fascia(CPF)の正しい理解と下眼瞼瞼板を確実に同定する、の2点です。

上眼瞼の手術と同様、解剖に熟知していないと確実に結果を出すことが難しい手術になります。

 

CPFへのアプローチと瞼板の確実な固定については次回以降で

下瞼の手術は、上瞼に比べて難しい手術が多いと感じます。

たるみ関係の手術を除いた下眼瞼手術の中で需要が大きいのが「下眼瞼下制術」「グラマラスライン」と言われているものです。

下眼瞼の外眼角寄りの瞼縁レベルを少しさげて、きつい目のイメージを和らげようというものです。

鼻に比べて瞼の手術は方向性が単純と申し上げてきましたが、この手術も黒目の外側の白目の面積を増やすという目的があり、結果「目が大きく」なります。

さらに付け加えれば、黒目の外側の白目の面積が増えると「黒目」が見かけ上「寄り目」に見えます。

黒目が寄り気味な目は、かわいらしさ、幼さにつながります(赤ん坊の目を見ればわかりますよね)。

逆に目頭切開は内側の白目の面積を増やすことにつながるので黒目が離れて見えます。したがって目頭切開のやりすぎは「不気味さ」(この人、どこを見ているかわからない!という印象を他人に与える)につながります。

下眼瞼下制術は目の印象が柔らかくなる、ということに加えてかわいらしさを演出できる手術として当然人気が出る手術です。

しかしこの手術のキーポイントである「CPF」を手術で探し出すこととこれを瞼板に確実に留めて瞼縁を下げ、その位置をキープする難しさ、は真剣に手術をしたことのあるドクターであれば理解できると思います。

次回ではもう少しこの手術を深堀したいと思っています。

今年も残すところわずかとなりました。
数時間前に今年の仕事のすべてを無事終えることができました。
年末は大きな手術がずっと続いていましたが、なんとか予定通りに終えることができました。

振り返ってみると、患者さんの希望される手術の内容が年々難しくなる一方で、今月はずっと緊張の連続だったような気がします。

鼻の手術では、例年「他院修正手術」が大半でしたが、当クリニックでうけるのが初回手術、という患者さんも少しずつ増えてきているようです。

少し知名度が上がってきた結果かな、と分析しています。

眼の手術はそれほど増えているわけではありませんが、内容が難しい手術の最右翼と思われる「下眼瞼下制術」を希望される患者さんが増えてきているように思います。

それ以外に特記すべきことは、今年は「口周り」の手術を希望される患者さんが目立ってきたことです。

鼻翼基部プロテーゼ挿入術はほかのクリニックではあまり手掛ける先生がいないせいか、当クリニックで増えた手術となりました。

手術そのものはそれほど難しいわけではありませんが、ちょっとしたコツのいる興味深い手術で、なんといっても口元を比較的容易に目立たなくすることができる点で魅力のある手術だと思います。

口角拳上術も今年増えた手術のひとつです。
傷のことが問題になりやすいのですが、これも術後の効果がわかりやすいという点では魅力のある手術と思われます。

このように一般的な手術があまりなく特殊な手術が大部分の変わったクリニックになってきたようです。

来年はいったいどのような手術が増えるか、楽しみでもあり少し不安でもあります。

年々確実に体力が衰えてきていることを実感しながら、どこまで患者さんのご希望にこたえることができるか、来年は正念場になりそうです。

今年1年間、いろいろな方に大変お世話になりました。
またご遠方からこんな片田舎のクリニックまで足を運んでいただいた患者さんに感謝申し上げます。

来年もよろしくお願いいたします。

それではよいお年をお迎えください。

下眼瞼下制術(たれ目形成)の手術で、患者さんにとってなかなか理解が難しい点の一つに、皮膚切除の問題があります。

皮膚切除そのものを主体にした「たれ目」手術もあれば、まずは皮膚切除をしないで粘膜側の手術をする方法、両方を一度にするやり方、など色々です。

ドクターによって手術法が違うので、患者さんとしてはどれがいいのか判断が難しく混乱の原因になります。

手術を受けるにあたって迷わないためには、この手術がどういった手術なのか、原理をしっかり理解していただければ、あとはそれぞれ経験の豊かな医師の説明をうけて手術を受ければいいと思います。

まず瞼(下まぶたでも上まぶたでも)の構造を単純に2枚構造と考えてください。

表(皮膚側)と裏(粘膜側)があるのですが、まつ毛の付け根を境に切り替わると考えるとわかりやすいと思います。

下まぶたを下げるということは、皮膚側も粘膜側も短くすることです。

まつ毛の倒れ方で(どちら側に倒れているか)、皮膚側が短いのか粘膜側が短いのかが判断できます。

つまり「逆まつ毛」のかたは、皮膚側に比べて粘膜側が短い人です。

まつ毛が皮膚側に倒れている人は、「外反」といわれていて皮膚側が短いことになります。

「逆まつ毛」も「外反」も手術によって生じることもあれば、生まれつき、あるいは加齢によっておこることもあります。

下まぶたの場合、外反が強くなるといわゆる「あっかんべー」状態になり、非常に治療が困難になります。

下まぶたを下げるときに、一番のリスク、一番に避けたい状態はこの「外反」状態を作ってしまうことです。

形成外科などの素養があるドクターであれば、このことを十分理解しています。

要するに、下まぶたを下げて「たれ目」にする時に、気を付けなければいけないことは、一番のリスクである「外反」を避けながら十分なたれ目を作ることです。

これらを理解していれば、経験豊かなドクターが「たれ目」の手術について何を考えて説明しているかがよくわかると思います。

ちなみに私のやり方は、皮膚切除を一番最後に行う方法ですが、もちろんその理由は「外反」を作ってしまうことだけはどんなことがあっても避けたいからです。

CPFが曲者、と書きました。

なぜここに糸をかけるのが難しいか、それは前述したように引き上げられない膜だから結果的にとても深いところに糸をかける、ということになるからです。

術者であればわかると思うのですが、深いところに糸をかける動作はとても窮屈でやりにくいものです。

しかもかけ終わった時に必ず、引き上げる動作をしていしまいますので、そこで膜がきれてしまってかけ損じることもあります。

盲目的に、その膜を実際に見ないで糸をかける、ということをしている術者もいるとは思いますが、非常に危険だと思います。

その理由は二つ

一つは、美容外科の手術のトラブルは、この盲目的操作にあるということを思い出してください。もし深くかかってしまったらその奥には下斜筋があります。

これに糸をかけてしまったら眼球運動に制限が出る可能性が高くなります。

術後に複視の訴えがあればこの可能性大です。

もう一つの理由は、もし掛け損なっていたら、という場合です。

要するに術前にお約束した「下まぶたをさげる」という大前提が遂行できなくなります。

手術の結果をお約束できない手術、というのは患者さんはもちろん我々美容外科医にとっても非常にまずい手術になります。

こういった理由から少なくとも術者は、これがCPFだ、と確認してこれに確実に糸をかける、という手順を踏む必要があります。

実際に見てみると、白い組織の中に、なんとなく光沢のあるシルキーな組織を見つけられればそれがCPFの可能性があります。

おそらく外眼筋の手術をやり慣れている眼科医(斜視の手術をたくさんこなしている眼科医、それほど多くはないと思いますが・・・)にとっては、それほど難しくない手術だとは思うのですが、形成外科医にとってはすこし困難な手術だと考えます。

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