愛知県がんセンター頭頸部外科時代(1990年4月~1992年3月)
大学での初期研修も順調に進むにつれ、形成外科医としての物足りなさも徐々に感じていました。
大学ではなかなか執刀医になる機会がなく万年助手が続いていたからです。
そんなときに、鳥居先生から「愛知県がんセンター」で頭頸部再建外科医としての赴任をオファーされました。
当時、微小血管縫合による組織移植で頭頸部再建がようやく始まった時代、仕事としてはやりがいのあるものでした。
しかしがんセンターのなかで唯ひとりの形成外科医になりますので、責任は重大。少々荷が重い、という気持ちも正直ありました。
赴任してみると、頭頸部外科は部長の松浦先生(故人)が仕切っていました。松浦先生はアメリカ仕込みのバリバリの頭頸部外科医。
この2年間で松浦先生から「外科医」としての基礎と厳しさを徹底的に教えられ、たたきこまれました。
1年365日間、まったく休みなし。正月1日の朝6時から仕事。来る日も来る日もひたすら仕事。毎晩寝る時も枕もとに「ポケベル」をおいてから寝る、という日々。
この2年間が終わってみると、外科医としての基礎が完全にできあがっていました。このときの体験が17年経った今でも私の美容外科医としての基盤になっています。
この2年間のうち私にとってもう一つの大きな出来事がありました。以下次号。
この間、名古屋で行列ができる「ラーメン屋」に行きました。食べ物を前に待っていられない性分ですのでめったにこういった店は行かないのですが、何となく以前から評判を聞いていたので行ってみました。
いってみると幸い店の外までならんでいる人はいなかったにもかかわらず店の中で小1時間ぐらい待たされました。
かなり期待して食べたところ、味は??・・・。とにかくいろいろなだしを取っていることはわかるし、ひとつひとついいものを使っているのも感心するのですが、何か期待したのとちがう・・・というのが感想でした。
食べている間に、はっと気づいたのは、これは美容外科の手術をやりすぎた時の人の顔といっしょだ!ということです。
美容外科の手術は、やればやるほど美しくなると考えがちですが、それとともに基本的に徐々に徐々に濃い顔になっていきます。
逆にあっさりしたきれいな顔を美容外科の手術で作るのは意外と難しいものです。
スープの出しもこだわり過ぎるとだんだん濃くなって、あっさりした風味が無くなるのかな~と考えました。
以前、週刊誌に「都内の行列ができるラーメン屋」特集がありましたが、そこにも同じことが書かれていて、評判の店は、ラーメンおたくの厳しい評価を恐れるあまりだしをとることに気が抜けなくなりどうしても味付けが濃くなっていく傾向にあるという内容でした。
手術に懲りすぎてこのラーメンの味になってしまわないように気をつけなければ、と食べ終わったところで思ったものでした。
(ちなみに私は、ラーメンおたくでもなんでもありません。)
前回の続き
ゴアテックスはexpanded PTFEといわれていて、延伸多孔性という性質を持っています。
これが走査電顕によるePTFEのfibril 構造です。結節と延伸多孔構造がよくわかります。
これによって前回の記事で書いたような特徴をもった材料になるわけです。
生地としては非常に柔らかく、少し伸び縮みします。
生体材料として用いれば周囲となじみがよく、隆鼻術に用いた時、シリコンに比べるとナチュラルな仕上がりになります。
この多孔構造で生体組織とのなじみもいいのですが、欠点としてはなじみがよすぎて取り除くことが難しくなることです。
動物実験でもゴアテックスを移植すると、1週間後には周囲との癒着がみられ取り出すのに少し難しくなります。
この材料を用いた場合、術後に何らかの原因で取り出すときはちょっと苦労することが予想されます。
突然ですが、私の目指しているクリニックは「プライベートクリニック」です。この意味は、「プライベートバンク」から考えつきました。
「プライベートバンク」というのは銀行の一形態で、簡単にいえばスイスなどにある銀行で資産家の財産管理を代々任されている特別な銀行のことです。
「プライベートバンク」は顧客の情報をどんな国家権力からも守り抜くので、世界中の金持ちからも絶大な信頼を得ています。(9.11のテロ以降その方針にも若干陰りがみられてきているようですが・・・。)
「プライベートクリニック」も患者さまに信頼されて長く通院していただけるクリニックであると考えていて、「八事石坂クリニック」はそんな「プライベートクリニック」であり続けたいと強く願っています。
今日もそれぞれ1時間ぐらいカウンセリングを受けていかれた方が3人ほどおられましたが、満足して帰っていただけた御様子で本当に良かったと思っています。
最近親子で手術を受ける方もおられます。お母さまのあとに娘さんという順番が多いようで、こうして手術に来ていただけるとこれぞ「プライベートクリニック」の新骨頂と思っています。
また季節がらかここのところ何件かありましたが、ご遠方からも手術にいらしていただける患者さまには本当に恐縮しています。
開業してわすか4ヶ月ちょっとですが、わたしが長く考え続けていた「プライベートクリニック」構想がこんなに早く実現しつつあることに、患者さまや以前のクリニックの関係の方、大学関係の方、今のクリニックのスタッフ、そして陰ながら応援してくれている家族に感謝しています。ありがとうございます。
またその信頼にずっとこたえられるように努力していくつもりですので今後ともよろしくお願いします。
以前ブログでお話ししていた「セルリバイブ」「セルリバイブ・ジータ」開始しました。この治療についてはこちらも参照してください。
ご興味のある方、一度お問い合わせください。(少ないスタッフで診療していますので電話での詳しい内容のお問い合わせはご遠慮ください。)
カウンセリングにいらしていただければ、施術前後の写真をお見せしながら詳しく説明します。
評判は、自然な仕上がり、細かいしわが消えた、という感想が多いようです。
以前のACR、PRPで結果が出なかった人でも違いがわかるとのことです。
もちろんいいことばかりではありませんから、リスクについてもご理解していただきたいと思います。
価格についてはいろいろな縛りがあって公表価格は
セルリバイブ:189000円、セルリバイブ・ジータ:315000円
とやや高額です。
新しい治療ですので、経過のデータに協力していただける方にはお値段の相談をさせていただきます。
その価格については公表できませんので、直接カウンセリング時にお問い合わせください。
さらにフラクセル・レーザーの最新版の導入も間もなく始めますので、このブログでのチェックをお忘れなく!
大学での形成外科初期研修時代に「美容外科」というものに初めて触れた日の出来事。
高須クリニックは名古屋の栄にあるビルの一角にありました。エレベーターを降りるとそこは回廊になっていて回り込んでいくと1室から人が廊下まであふれていました。なんだろうと近づくとそこが「高須クリニック」でした。
若い人たちを分けてクリニックの中に入っていくとそこはまるでどこかの「クラブ」のようなところ。
とにかく内装が黒1色。普通のクリニックでは考えられないセンスです。その日2回目のカルチャーショック。
奥に入っていくと、すでに手術が始まっていてそれほど広くないスペースに手術台が4台!カーテンで仕切られているだけでした。
その4台の手術台は最初から最後まで常に手術でフル稼働。
当時「クイック二重」というものが初めて登場し、若者に大人気。非常に簡単に二重になる、という触れ込みで患者さんが殺到し、美容外科ブームになっていました。
今から思うと信じられないかもしれませんが、当時ネットもなければ携帯電話もない時代です。ちょっとしたことがブームになる、そんな時代でした。
その日私が見学した「クイック二重」は23件と記憶しています。
見学が終わって帰る頃には、仕事をしたわけでもないのに、ものすごく疲れていました。
普通にOLの仕事をしていた女の子が、いきなり夜の仕事の現場に放り込まれたような、そんな1日でした。
先日新聞をみていたら、ドイツの鉄道模型の老舗「メルクリン社」が倒産という記事が載っていました。
今ではめっきりみかけなくなりましたが、昔は鉄道模型といえば「メルクリン」でした。
私の「鉄道模型」趣味の最初のきっかけは中学1年の時の友達、F君の家にあった鉄道模型でそれがこの「メルクリン」だったのです。
F君の家はすごいお金持ちで、最初に遊びに行ったときに家の中を案内してくれたのですが、数ある部屋の内の一つになんと鉄道模型専用の部屋があったのです。部屋は12畳ぐらいだったと思いますが、その部屋のど真ん中に畳8畳ぐらいのテーブルがありその上に「ジオラマ」がセットされていました。
コントロール盤もテーブルの端にあり、実際に動かして見せてくれました。線路が複雑に配置してあり、駅や風景も再現されています。
生まれて初めて「鉄道模型」を見た私は、その日から「鉄道模型」の虜になってしまいました。
あれから35年、いまではほとんど動かすこともない鉄道模型ですが、私の部屋の飾り棚のなかでひっそりと飾られています。
左からDD51、D51、EF65、C56、EF58,C55
規格はあの時見た「メルクリン」とおなじHOゲージ(日本の鉄道模型の普及規格Nゲージよりは大きめ)ですが、さすがに何十畳もあるF君の家で見た夢のような「ジオラマ」は実現していません。
プロフィールに書いてない私の趣味として、「数独」があります。
縦・横81ますに1から9までの数字を入れていく、数字のパズルです。
これ、やってみるとなかなかおもしろくてはまります。
かれこれ3年ぐらいになります。
なんで3年も続くかというと、中日新聞を購読している人であれば御存じと思いますが、そのサンデー版に毎週1問づつのっているからです。
以前、日曜日は東京出張だったので、これをやるために朝早く起きて出かける前の30分間で問題を解いていました。
一時期これだけでは物足りず、数独の単行本を買って解いていたこともあります。
難しい問題になると、解くのに2週間ぐらいかかったこともあります。
最初の数個のマスを埋めるのは比較的簡単ですが、かならずどこかで長考が必要とされます。これを越えるとスムーズに終了になります。
仮定がなく答えはひとつ。答えを見ても解くことのヒントにまったくならない。早く解くコツを自ら見つけることができる。など魅力はいろいろです。
今の目標は、数独の問題を作ることです。