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隆鼻術の続きです。

今回は使用する材料の話をしましょう。

古典的で一般的なものに「シリコン」プロテーゼがあります。

シリコンは生体の中にいれても大きな異物反応が出にくいという特徴があります。

シリコンの中でもやや硬めのものから柔らかいものまでいろいろあります。

形や高さ(厚み)もいろいろそろっていて患者さんの鼻に合わせて選択できるところがとても使いやすいといえます。

また手術中にはさみを使って簡単に成型できるところも術者にとって好ましいといえます。

そのほかの材料としては「ゴアテックス🄬」があります。

アウトドアグッズでおなじみのゴアテックス🄬ですが、医療材料としてもなじみの深い材質です。

人工血管とか人工膜として広く外科領域で用いられています。

シリコンに比べていい点は柔らかいので鼻の形になじみやすいという特徴があります。

シリコンはソフトなタイプでもソリッド感は否めないので鼻筋が誇張されることで「人工感」がどうしても出やすくなります。

その点ゴアテックス🄬は、辺縁が出にくく「自然な」鼻筋ができるということで一時もてはやされていました。

しかしこのゴアテックス🄬という材質には二つの使いにくい点があります。

そこを理解するためには、このゴアテックス🄬の基本構造を知る必要があります。

詳細は次号で

一般的に鼻の手術で最も多いとされる「隆鼻術」について

前回書きましたように、うちのクリニックではこの手術を単独で行うことは皆無です。

もちろん複合手術の多くに隆鼻術が含まれています。

しかし高さを出すことを目的にこの手術を行うことは稀です。

結果的に鼻は高くなりますが、最近では高くすることを目的に行うことはほとんどなくなりました。

鼻尖部と鼻根部との間のバランスをとることや鼻筋を出すために行うことがほとんどです。

これは戦後75年経過して今の若い日本人女性の顔の発育が良くなったことや好まれる鼻が変化してきたことが原因と考えられます。

鼻筋が異様に強調された「わざとらしい整形鼻」は場末のスナックのママさんでも見かけなくなりつつあります。

このあたりの事情を踏まえたうえで、この隆鼻術を考えていきましょう。

鼻背部の話

鼻尖部と鼻根部の間の鼻背部はいわゆる鼻筋を作るときに重要になります。

鼻筋を通したい場合は、高さを出すか幅を狭めるか両方するか、です。

高さを出す方法として一番一般的なのはプロテーゼ挿入です。

研修時に一番最初に行う手術はこの手術になります。

材料としては、シリコン製 ゴアテックス製 自家軟骨などが用いられています。

材料そのものの説明はまた別の機会に行います。

幅を狭めるには、骨切り幅寄せが必要になります。

絶対に高さを出したくないが鼻筋を通したい場合この手術が適応になります。

またハンプというでっぱりがある場合は、これを切除して骨切り幅寄せが必要になります。

ハンプ切除についても別の機会にします。

これら鼻背の手術はとても重要ですが、うちのクリニックではこの手術を単独で行うことはほとんどありません。

なぜなら手術が必要な鼻で、この鼻筋だけが不足していることがないからです。

鼻の手術で一番大事なのは鼻先・鼻尖です。

鼻先が問題ないのに鼻背だけ問題がある、という鼻はまず考えられません。

ここも鼻の手術がバランス手術で、いろいろなところに手を入れながらバランスをとっていくことが重要であるということがわかる点です。

例えば、鼻尖に問題があるのにプロテーゼだけ入れられてしまった症例です。

すべてのバランスを取り直しました。

バランスをとるとどこを手術したかわかりにくくなります。

整形っぽいというのは手術した範囲が少なすぎることが原因であることがよくわかる例だと思います。

鼻先は一つ?

今回は鼻先についてですが、英語ではtip defining point(TDP)といいます。

英語で書かれたrhinoplastyの教科書を見ると、TDPsと複数形になっています。

つまり鼻先は複数あって、一つではない、ということになります。

鼻先はひし形の頂点として4か所、というように書いてある教科書もあります。

私も鼻先の形を作るときに、鼻先が1か所にならないよう複数の鼻先のポイントができるように手術しています。

特に左右2か所のポイントは、鼻根部から下に降りてくる鼻筋の終着点として意識して作るようにすれば、すっきりした鼻を実現できると考えています。

鼻翼軟骨全体がしっかりしていればsuture techniqueでこれらを作ることができるのでしょうが、今まで書いてきたように日本人の弱い鼻翼軟骨だけでは実現不可能ですので、軟骨移植が必須になります。

患者さんの要望の多いいわゆる「鼻尖軟骨移植」「耳介軟骨移植」はこの目的で行われています。

鼻先の高さや向きは鼻中隔延長術でコントロールすることになり、鼻先の形は「鼻尖軟骨移植」や「耳介軟骨移植」で行う、と考えればわかりやすいと思います。

考えれば当たり前ですが、手術にはこのようにすべて目的がありますので、それを理解して正しく行う必要があります

アップノーズについて

アップノーズとは鼻先がつんと前方上方に向いている鼻です。

西洋人に好まれやすいアップノーズですが、日本人を含むアジア系の鼻でもある条件が整うとアップノーズは理想的な鼻になりやすいと考えられます。

鼻先が少し強調されると逆に鼻背を含めた鼻全体がこじんまりした小さな鼻に見えるようになるので好まれやすくなります。

これは逆に鼻先の垂れた下向きの鼻先を想像すればわかると思います。

しかし、条件が整わないとアップノーズは下品なイメージになりやすいという問題があります。

その条件の一つは、小鼻の付け根が下がっている場合です。

小鼻の付け根が下がっていてかつ鼻先がアップしているといわゆる「豚鼻」になります。

もう一つは、鼻翼基部の陥凹を含めた口元の突出(Eラインの破たんと考えてもらってもいいと思います)がある場合です。

いわゆる「サル顔」のひとにアップノーズにするととても下品なイメージなってしまいます。

このように鼻を手術するときは、顔全体の位置関係も考慮しないと鼻がバランスよく見えないということが起きます。

ここが鼻の手術の難しさであり、非常に興味深い手術でもあるということにつながります。

鼻翼縮小のお話です。

小鼻の幅が気になる場合は鼻翼縮小内側の適応です。

小鼻のたわみ・外への張り出しが気になる場合は外側の適応になります。また面積が大きい場合も外側の適応になります。

鼻翼の厚み、付け根が下がっている、そんな小鼻には鼻翼形成術がよい適応になります。

実は、小鼻の下がりは鼻柱とのバランス(A-Cバランス)からいうと絶対的な手術の適応になります。

鼻柱が引っ込んでいるから鼻中隔延長術だけでバランスを取ろうとするとなんとなく長すぎる鼻が出来上がります。

ここでも「美容外科の大原則」が重要になります。

つまり手術をする範囲が狭い場合はなんとなく嘘くさい結果になりやすく、多数か所の手術でバランスをとると自然な結果になりやすい、という原則です。

A-Cバランスをとる場合、鼻柱を伸ばすとともに鼻翼挙上をするととても自然な結果になります。

鼻翼縮小術はよく行われていますが、鼻翼下降に対する鼻翼挙上術は手術的に難しいので見過ごされがちです。

当クリニックでは、鼻翼形成術で鼻翼の厚みを減じると同時に付け根を挙上します。

(症例の詳細は当HPのトップページに掲載してるモニタをご覧ください)

おそらく、あまりに自然で鼻翼を挙上したことがわからないと思いますが、その目で見るとずいぶん挙上されていることがわかります。

「術前術後を比較するととても変化しているけれど、術後だけ見るとどこを手術したかわからない」という、私が考える美容外科手術の理想を目の当たりにできます。

鼻先の相談の次に多いのが小鼻(鼻翼)の相談です。

小鼻を大きくしてください、という相談は100%ありません、小さくしてください、という相談です。

中でも多いのは、笑った時に広がる小鼻を何とかしてください、というものです。

笑った時は誰でも多少広がりますがその程度が強い患者さんの悩みだと思います。

どんな手術が必要かを見極める前に、まず診察しなければいけないのは鼻先の高さです。

小鼻の横への広がりは、この鼻先の高さにかなり左右されるからです。

それを理解するのはとても簡単で、鏡を見て鼻先を指で押さえると小鼻が広がるのがわかると思います。

逆に鼻先をつまんで前に引っ張ると小鼻の幅は目立たなくなります。

鼻先が低く垂れている患者さんで、小鼻の幅が気になる人はまず鼻先の手術を考えるのが順番です。

もし、鼻先に十分な高さが維持されている患者さんで小鼻の幅が気になる場合は小鼻の手術の適応になります。

さらに鼻が末広がりの場合は、鼻翼縮小内側で改善が期待できます。

鼻先の手術は、簡単にいえば鼻翼軟骨に手を入れることです。

鼻翼軟骨の手術は大きく分けて、鼻翼軟骨自体に手を入れて形を整えていくテクニックと他から軟骨をつけ足して形や強度をコントロールする手術の二つがあります(suture techniqueとcartilage graft)。

前々回と前回にも書いたように、日本人のように元々弱い鼻翼軟骨をコントロールするにはどうしてもgraftが必要になります。

しかも鼻翼軟骨の支持を補強するような軟骨移植をしなければコントロール不可能になります。

逆に鼻先に軟骨を移植する(乗せる)のは、支持を高めるどころか負荷を増やしますので逆効果になります。

要するに鼻先を高くしたり長くするなどのコントロールを考えるのであれば、鼻尖軟骨移植は適当ではない、ということがわかったと思います。

要するに鼻翼軟骨外側脚の支持性を高める軟骨移植、内側脚の支持性を高める軟骨移植が必要になります。

もちろんこれらを一つ一つ行う軟骨移植はありますが、これらを一気に補強してしまう方法があります。

それが鼻中隔軟骨延長術になります。

鼻先の手術をもう少し深めていきましょう。

どちらかというと今回は専門医向けで患者さんには少し難しい内容になるかも知れません。

鼻先を支える鼻翼軟骨について考えましょう。

少し知識のあるドクターであれば、鼻先は左右の鼻翼軟骨で支えられていて3方向から支えられている(tripod理論)ということを知っていると思います。

このtripodというのは日本語でいうと「三脚」のことです。

左右の鼻翼軟骨外側脚と鼻柱を支える鼻翼軟骨内側脚の3本の軟骨で鼻先は支えられています。

この軟骨の強度は個人差が多いことは、鼻の手術をし慣れているドクターであれば知っていることです。

概して日本人の場合この軟骨は弱く、特に内側脚はとても弱くて支えになっていないことが往々にあります。九十九折りになっていたりひどく湾曲していたりします。

元々そのように弱い軟骨ですが、これが鼻の手術後に見てみるとさらに悲惨なことになっています。

断裂していることはよく見られますが、ひっくり返っていたり、反対側にひん曲がっていたり、もう原型をとどめていないことは日常茶飯事です。

ところが、幸か不幸か外見的にはそれほど大きな変形はなく、軟骨が悲惨な状態になっていることはほとんどわからないのです。

このことから、鼻の再手術の場合外観から想像するよりも軟骨の変形は強くなっていることを覚悟しておく必要があります。

そして再手術で鼻先をコントロールするにはまずこれらの変形を可及的に元にもどしてリセットすることから始めなければいけないということを知っておくことです。

リセットができたらまず考えなければいけないことは、これら元々支持の弱い鼻翼軟骨をどのように補強するかになります。

久しぶりに鼻の手術について書きましょう。

鼻の手術について多い質問

「鼻中隔延長術と鼻尖軟骨移植はどちらがいいのですか」という質問について考えてみましょう。

まず、ご自分の鼻先を指で押してみてください。ふにゃふにゃしてるはずです。

鼻先の土台が鼻翼軟骨という軟骨でできていて、この軟骨はどこにも固定されていません。

言ってみれば柔らかいクッションのような構造になっています。

鼻先は顔から一番前に出ていてけがをしやすいので、外力が加わったときに容易に壊れないようにこのように柔らかい構造になっていると考えられます。

鼻先の構造をこのように考えるということが先ほどの質問を考えるうえで大事なことの一つです(特に日本人の鼻翼軟骨はとても弱くできています)。

もう一つ 大事なことは、先ほども言ったように鼻先は顔から一番前に出ていることと関連しています。

顔は常に小さくなろうとしていて、鼻を支えるものがなくなると鼻は低くなろう短くなろうとしている、という事実です。

これはけがをして鼻の骨を折ると必ず低くなることからわかります。

最後に大事なことは少し難しくなりますが、鼻の手術をすると瘢痕拘縮という現象が起きて皮膚や皮下組織は縮まろうとします。

この3つのだいじなこと、鼻先の支持はとても弱いということ、鼻は常に低くなろう短くなろうとしていること、手術をすると皮膚皮下組織は縮まろうとする力が生じること

この3つを理解できれば、鼻先の手術を考えるときに何が必要かはおのずとわかりますね。

うちのクリニックで鼻の手術で一番多い相談

「鼻先の高さが欲しくて鼻先に耳介軟骨移植をしたのですが、何も変わらなかった、どうすればいいですか?」

この答えは明快ですね。そしてその理由もわかりますね!

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