美容外科カウンセリングその13

術後トラブルケースの分析です。

1「ある一つの美容外科手術」は「ある限定された目的」のために行われるのですが、「それ以外の問題」を解決しないか悪化させる可能性すらある、という認識が共有されていない場合。

具体的にお話します。

~年配の患者さんに埋没法を行ったと想定しましょう。二重はできます。ところが年配の方は瞼のたるみもあります。たるみは基本的に埋没法では改善しません。それどころか不自然な二重ができてむしろたるんだ感じがひどくなったようにも見えることがあります。~

術前に患者さんにこの可能性を伝えてあればまずトラブルにはなりませんが、こちらから「積極的」にお伝えしなければ患者さんはこういった不都合な状態を全く想定していないし、少しお話したぐらいでは心にも留めずよくなる自分の顔貌への勝手な期待で不都合を打ち消します。

このことを術後になって初めてお伝えしたとなったら患者さんの怒りは爆発です。「なんで最初にはっきり言ってくれなかったんですか?聞いていたらやらなかったのに!」となります。

2複合手術が必要な患者さんの場合、ひとつひとつの手術があたかもいい結果が階段を上るように積み重ね得られていくという患者さん側の誤解。

~バランス手術といわれる鼻の手術でよくみられるケースです。鼻先を高くしたいという患者さんで元々小鼻の付け根が垂れている患者さんに手術をする場合、鼻先の向きは鼻孔縁の関係を常に考えて手術を考えなければいけません。患者さんの都合などでたまたま鼻尖の手術が先に行われ、小鼻が垂れたままになると、この1回目の手術直後のイメージはひどい豚鼻になります。~

これも次の小鼻の手術をするまでは、一時的に今よりもよくないイメージになることを伝えてあればいいのですが、多くの場合患者さんは手術後のイメージはステップアップするように一つの手術が終わればその分イメージはよくなると勝手に考えてしまうのでトラブルになります。

術前に複数回の手術の流れをお話しすると同時に、途中の時点では決して良くなっていないことを「強く」患者さんに伝えないと、患者さんの勝手な都合の良い期待を覆すことはできません。

1回目の手術後に何度説明しても一度棄損した患者さんとの信頼関係を取り戻すことは難しく2回目の手術でよくなることがわかっていても決して受け入れてもらえません。

術後の結果に大きな期待を抱いている患者さんにマイナス面を説明するときはことさら強く強調する必要があるのですが、これは美容外科医にとってなかなか難しいことだということは今まで何度も書いてきました。

美容外科・美容皮膚科
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