勤務医時代にやっておくこと

一時、医学生の間で美容外科の人気があったようですが、今はどうなのでしょうか。ここ1~2年の不景気で美容外科人気にも陰りが見えてきているような話も聞きます。

勤務医でそろそろ開業を、と思っていた先生たちも二の足を踏んでいるかもしれませんが、開業を焦る必要はないと思います。むしろ勤務医時代にしかできないこともあります。そこで今日はそんな先生たちに、私が開業前の勤務医時代にやっておいてよかったと思うことを2,3挙げてみたいと思います。

医療技術:どんな医療を目指すかで変わってくると思いますが、プロとしてその分野では患者さんのあらゆる要望にこたえられる医療技術を身につけておくことが重要です。医療技術といっても手術に限りません。美容外科で重要なものはコミュニケーション技術です。自分の医療技術の得意なもの、限界も見極めておけるといいです。

ある程度の資金:とにかく開業後半年までは、いろいろ出費が重なりますのでキャッシュは多いに越したことはありません。ほしいものはちょっと我慢して貯金に励んでください。

人脈:やみくもに人脈を広げる必要はありません。ちょっと知り合いです、という関係は開業には役に立ちません。それよりは長年信用のある人間関係を築き上げることが重要だと思われます。とにかく患者さんに信用されることが一番重要です。看護師や受付の人などスタッフからの信頼も重要です。あとはもし銀行からの信用があると何かと助かりますが・・。

経営知識:小さなクリニックといえども経営主になるわけですから、最低限の経営についての知識がいります。とくに減価償却については、税理士の先生によく教えてもらっておいたほうがいいと思います。長年開業してる先生でも正しい知識を持っていない先生もおられます。

体力:並はずれた体力がいるわけではありませんが、開業には体力が要ります。勤務医時代から、自分の健康管理について常日頃から気をつける習慣が必要です。毎晩お酒を飲んで二日酔い状態で仕事をしていては、開業医として責任のある医療はできません。

医療方針:一番重要かもしれませんが結構難しい問題です。まじめな先生ほど雇われている身分のときは一生懸命事業主のために働きますので、自分の(経営を含めた)医療方針を考える機会がないかもしれないからです。私は遅ればせながら開業して2~3カ月ぐらいしてから自分の確固たる医療方針を自覚しました。

タイミング:結局はこれにつきますが、いままで述べてきたことができていればいつでも開業OKでしょう。できる前に開業のチャンスが来た時が迷うところです。思い切って開業してみたものの夢破れ、数年で勤務医に戻ったという先生もいます。せっかく通院してくださっていた患者さんを見捨てることになるのでこれだけは避けたいところです。

偉そうに書いてきましたが、私の経験がどなたかのお役に立てれば幸いです。

美容外科・美容皮膚科
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