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鼻の手術で一番多いトラブルは「鼻先の手術をうけたが何も変わらなかった」です。

術前の患者さんの要望で「自然な感じの鼻にしてください」だから「ちょっとした手術でお願いします」ということでちょっとした手術をしてしまうとこのような状況になります。

過去に書いてきましたが、「自然な感じにする」は「ちょっとした手術をする」でないということです。

特に鼻先に関しては、多くの患者さんでこの大原則が当てはまります。

その原因は我々東洋人の鼻先の皮膚の厚さに原因があり、多くが皮下脂肪を伴う厚みのある皮膚だからです。

ですから鼻先をすっきり見せるためには鼻先の皮下脂肪を減量する手術は必須になりますが、十分ではありません。

わかりやすくたとえ話で説明します。

ボディをシェイプアップして筋肉もりもりになったとします。裸になれば結果は明瞭ですが、ダウンジャケットを着た状態だとその状態をうかがい知ることは困難です。

厚いダウンジャケットを薄いTシャツに着替えればなんとなく筋肉もりもりはわかります。

しかしだぶだぶのTシャツだとよくわからないのでサイズダウンする必要があります。

Tシャツを小さくできないとすれば、シェイプアップしながら体自体を大きくしてもいいかもしれません。

これを鼻先にあてはめると

シェイプアップは鼻翼軟骨の形を変えることで服は鼻先の皮膚の問題になります。

鼻先をすっきり見せる上で一番確実なのは、軟骨を小さくした結果余った鼻先の皮膚を縫い縮めることです。

しかし顔のど真ん中の鼻先に縦に縫目ができる結果はなかなか許容できるものではないので、鼻先の手術がとても難しいものになってしまうのです。

前回の記事で書いたブレークポイントについて

supuratip break pointとは、鼻背から鼻先にかけてのラインで鼻先の少し上のところで跳ね上がり始めるポイントです。

これが決まると鼻先がつんとして可愛らしい雰囲気を作ります。

また鼻筋が鼻先まで通るのですっきりとした鼻の雰囲気を強調します。

団子鼻はここが全体に丸く盛り上がっているので、supuratip breakを作ることで団子鼻のイメージをなくすことができます。

これを実現する具体的な手術方法ですが、皮下の脂肪を減量することと鼻翼軟骨の外側脚を凹型にすることが必要です。

日本人は鼻翼軟骨の内側脚が貧弱でそれに比較して外側脚が立派な方が多いので外側脚のサイズダウンも同時に行います。

それが外側脚の頭側トリミングです。

しかしこれをあまりたくさんしすぎると外側脚が寄せすぎになりその結果ピンチノーズになりかねません。

私は外側脚を凹にするのに抵抗となる軟骨部分だけトリミングする程度で十分だと考えています。

また、外側脚を凹にしたとしても術後に皮膚の上からテープ固定をするだけではもとに戻ってしまいます。

そこでまたSEGの登場です。

外側脚の中央付近をSEGに固定することでこの形をキープできます。

この結果鼻先の少し上の丸みをなくし、すっきりした鼻先にみせることができます。

鼻先の作り方です。

鼻翼軟骨のコントロールをすることで鼻先を作り出すのですが、原則に則って一つ一つをクリアします。

まず、鼻先は一つではないことを自覚しないといけません。

鼻先は英語でtip defining points(TDPs)です。

英語の教科書を見ると必ず複数形になっています。

ダイアモンド型に4つと表現されることがありますが、私は2つでいいと思っています。

要するに「一つではない」であればいいです。

なんとなく鼻先に耳の軟骨を移植した結果、鼻先が一つの点で尖ってしまうと「手術で作りました」という鼻になります。

さらに重要なポイントは、これも教科書に書いてあります、各種break pointを意識して鼻先を作ることです。

supuratip break point、infralobular break pointなどです。

これらのbreak pointはどうやって作るかといえば、鼻翼軟骨に対する操作によります。

しかし、鼻翼軟骨は元来固定されていない軟骨ですからそれほど簡単ではないです。

そこで、やっと今までの話とつながったことが分かったと思います、そうです鼻中隔延長術SEGの出番です。

このSEGが、左右の鼻翼軟骨の間に固定源を作ってくれますから、自由に鼻翼軟骨を操作しコントロールできます。

鼻先の正しいイメージとSEGがあれば鼻先は半分マスターしたようなものです。

鼻の手術でいかにトラブルを避けるか、という本題に入っていきます。

患者さんが何を求めているか、どういう鼻になりたいか、その希望をかなえることはもちろん重要ですが、今私が伝えようとしているレベルは術者が自分の中でイメージを持つこととそれを手術で実現することです。

そのレベルをクリアできれば、患者さんの希望をお聞きしてその実現をお約束できるレベルになります。しかしそこでひとつ問題があります。

前回の記事で書きましたように「鼻の手術」は「バランス手術」と書きました。

ところがこのバランスを考えることは最も難しく、経験が必要になります。

患者さんには申し訳ないのですが、鼻のカウンセリングをしていて一番感じるのは患者さんが当初考えている鼻の手術のほとんどが的外れだということです。

ですから経験の少ない美容外科医が患者さんの要望をそのまま聞いて手術をすると往々にしてバランスの悪い鼻になることが多いのです。

しかし患者さんにはそういった事情がわからないので、その美容外科医の腕が悪い、という結論になってしまいます。

こういった行き違いを避けるためには、我々は経験を積み重ねることが必要です。

自分が手掛けた手術の術後、他院の術後に限らず手術を受けた患者さんの鼻をよく観察し、何が悪かったか、患者さんがどこに不満を抱いているかを考えることです。

1例を上げますが、鼻先を細くしたい、という要望に対して両側の鼻翼軟骨を糸で寄せて縫合するということを行ったときにできる「ピンチノーズ」をどう考えるか、みていきましょう。

正面から見て物理的には鼻先の幅が狭くなりますが、両側の鼻翼溝が深くなり横から見ると丸い鼻先になる、そんな鼻先を作って満足している術者になっては手術の進歩は期待できません。

どの角度から見てもすっきりした鼻先に見えることが重要で、鼻先をつまんだような不自然な鼻先は避けなければいけません。

手術でそれが実現できるかどうかを先に考えるのでなく、まずそういった鼻先がいいよね!と思える感性を大事にしなければ、鼻先の手術がうまくなることはありません。

特に鼻の手術における重要なポイントですが、術者の頭にないイメージは決して手術で作り出すことはできません。

逆に術者の中に、強烈な術後イメージがあれば、手術術式にかかわらず術後に実現できている可能性が高まります。

まず正しい術後のイメージを持つこと、次にそれを100%実現できることが鼻の手術では特に重要なのです。

鼻中隔延長術で鼻先をどうすればいいか、患者さんの満足度を上げるには?

私の今の時点での結論は、ここはやはり鼻の手術の原点に戻って考えるということです。

鼻先に関して言えばセオリーどおり「アップノーズ」が正統な鼻先の位置だということです。

そもそも鼻の手術は従来「西洋人の手術」です。ちなみに英語の鼻の手術の本「rhinoplasty」は山ほどあり一つ一つのボリュームは半端ないですが、その中に鼻先を標準より下げる手術はありません。

たまに外傷などで鼻が極端に短くなってしまった症例で鼻先を下げる手術の紹介はありますが、美容的に鼻先を下げる手術はなく、逆に挙げる手術「アップノーズ」だけです。

もちろん東洋人の鼻の手術は西洋人とは違いますが、東洋人でも極端に鼻先を下げる手術はありえません。

元来日本人にはアップノーズ恐怖症がありますが、これは厳密にいうと「短鼻恐怖症」です。

以前に鼻にプロテーゼを挿入され術後にそれが頭側に移動すると、鼻先が上がってしまいかつ鼻の始まりが上からになります。

これをアップノーズと思ってしまう患者さんは、その言葉を聞いただけで嫌になります。

話が少しそれましたが、鼻先の位置の基本は「アップノーズ」でかついわゆる「短鼻」に見えないようにしなければならない、というのが基本だと考えます。

しかしこれは鼻先だけ考えては実現できないことで、ここに「鼻の手術はバランス手術」だという重要なポイントに行き当たります。

鼻の手術でマストな鼻中隔延長術SEGですが、今回は欠点についてです。

鼻先の位置高さを確実に決められるSEGの欠点は、逆にそれが欠点になります。

つまり鼻先の動きがなくなることです。

鼻先って動くの?って思うかもしれませんが、微妙に動いています。

特に笑ったりするとそれがよくわかります。

笑った時に小鼻が上がることで、動かない鼻先がさらに高く長く見えるようになります(いわゆる矢印鼻)。

10年以上前にSEGを受けた患者さんの中で、自分の笑い顔が好きになれない、という人はたぶんこれが原因です。

そのころのSEGは短鼻の手術として認識されていたため、SEGで鼻先を下げたり長くしたりすることがはやったのです。

しかし今は、鼻先の高さを出したり場合によっては垂れた鼻先を上げる手術でもSEGは行われています。

時代とともにSEGの意義が変わってきている中で、相変わらずSEGで鼻先を下げているととても違和感のある鼻ができてしまいます。

そのあたりを次号以降で。

鼻中隔延長術(SEG)は鼻先の手術でマストの手術です。

ということは鼻の手術でも中心になる手術ということになります。

SEGを失敗することは鼻の手術の失敗になります。

それぐらい確実に行わないといけない手術なので、少しやりすぎだろうと思うぐらいしっかりした手術をしてもやりすぎということはないです。

なので耳介軟骨か肋軟骨か迷う場合は、肋軟骨を選択するべきです。

もし耳介軟骨でSEGをして術後強度不足で曲がりが出たとき、これをやり直すことを考えると最初から肋軟骨でSEGをしておくべきです。

それほどSEGのやり直しは難しい手術になります。

自身の経験でいうと他院のSEGの修正は最難関手術です。

SEGそのものをやり直す手術は難しいのですが、SEGがなされている鼻の手術の修正はとてもやりやすくなります。

例えば鼻先の位置を少し修正するとか高さの調整をするとかは、SEGが確実に行われていればとても簡単だしミリ単位の調整ができます。

しかも術後の後戻りとかはほぼ避けることができます。

このようなSEGについて、欠点はないのかなどは次回に。

肋軟骨による鼻中隔延長術(SEG)について書いています。

さて肝心なことを書くのが遅くなりましたが、どんな患者さんに肋軟骨による
SEGの適応があるかという問題です。

私の中でほぼマストなのは、鼻先を含めた鼻の「修正手術」です。

過去に鼻尖縮小術 鼻尖形成術 鼻中隔延長術を受けている患者さんと場合によっては隆鼻術だけの患者さんでも、修正手術の場合は肋軟骨移植によるSEGの適応になります。

最終的にはこういった患者さんの鼻先を触診して、硬さと動きなどを参考にして「耳介軟骨」か「肋軟骨」かを決めます。

何らかの事情で術前にどうしても決められない場合は、術中の判断になります。

その場合は、肋軟骨によるSEGで準備し(全身麻酔など)、肋軟骨でなくても大丈夫な場合は耳介軟骨に切り替えるということになります。

術中の決め手は、私の経験でいうと鼻翼軟骨の状態が一番大きなポイントになります。

詳細は次回以降で

肋軟骨による鼻中隔延長術(SEG)です。

肋軟骨採取で一番気を付けなければいけないのは「気胸」です。

気胸になったといっても脱気用のチューブを術後数日挿入して脱気すれば特に問題ないのですが、患者さんに負担をかけてしまいますのでできれば避けたいものです。

私でいえば過去に1例経験がありますが、肋軟骨を最初に切り離したときに壁側胸膜が裂けて気胸になりました。

裏側の軟骨膜が十分に剥離されていない状態で軟骨が切り離されたことと、どうしても軟骨の裏側にアプローチしようと持ち上げすぎたことが原因と思われます。

15年ぐらい前にこの1例を経験した後、この原因に気を付けて採取するようにしてからは1例も発生していません。

もう一つ問題なるのは肋軟骨の骨化です。

加齢とともに肋軟骨の骨化が認められる傾向にありますが、必ずしもそうではないようです。

30歳前後の患者さんで第6肋軟骨全長にわたって広範に重度の骨化がみられたことがあります。

逆に40歳代でも全く骨化がない方もおられます。

肋軟骨の骨化がひどいと切り離すことすら難しい場合があり、切り離して採取できたとしても加工が非常に難しくて思ったような形や薄さが得られないことがあります。

しかも骨化がひどい肋軟骨片は固定のために使用する針糸が通らないこともあって難渋します。

術前に肋軟骨の骨化の程度を知る方法として胸部レントゲン写真がありますが、肋軟骨の骨化がひどい症例以外は、正確な判断はかなり難しいものです。

胸部CTを撮るとかなり正確に軟骨内の骨化を知ることができますので、術前に撮るようにしています。

かなり小さい骨化でもCTでは描出されることを確認しています。

鼻の手術でどうしてもマスターしなければトラブルが避けられない手技に「鼻中隔延長術」(以下SEG)があります。

そして耳介軟骨によるSEGが終了し、これから肋軟骨によるSEGになります。

肋軟骨の特徴を書いていきます。

肋軟骨の一番の利点は、その強度と長さにあります。

利用する肋軟骨は第6か第7になります。

傷の位置が乳房下線に一致しやすいことから第6を選択することが多いですが、韓国の先生などは第7を好んでいるようです。

これには肋軟骨採取における難点が深く関係していますが後で詳述します。

まず自分が行っている方法を書きます。

これにもいろいろな方法がありますが、長年患者さんの術後状態をフォローして得た知見から、一番オーソドックスな方法を好んでいます。

肋軟骨を長さ40~45mmで採取しますが、形成外科で肋軟骨採取をしてきていると思いますので肋軟骨採取は楽勝だと思います。

採取した軟骨を長軸方向に半切して得られた2片を削ってできるだけ薄くし、これで鼻中隔軟骨を挟むというやり方をしています。

軟骨片は6~7本のプロリンで固定しますが、とにかく頑丈なSEGになるように固定していきます。

このあたりの動画はインスタにあげていますので参考になさってください。

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