今年も残すところわずかとなりました。
数時間前に今年の仕事のすべてを無事終えることができました。
年末は大きな手術がずっと続いていましたが、なんとか予定通りに終えることができました。
振り返ってみると、患者さんの希望される手術の内容が年々難しくなる一方で、今月はずっと緊張の連続だったような気がします。
鼻の手術では、例年「他院修正手術」が大半でしたが、当クリニックでうけるのが初回手術、という患者さんも少しずつ増えてきているようです。
少し知名度が上がってきた結果かな、と分析しています。
眼の手術はそれほど増えているわけではありませんが、内容が難しい手術の最右翼と思われる「下眼瞼下制術」を希望される患者さんが増えてきているように思います。
それ以外に特記すべきことは、今年は「口周り」の手術を希望される患者さんが目立ってきたことです。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術はほかのクリニックではあまり手掛ける先生がいないせいか、当クリニックで増えた手術となりました。
手術そのものはそれほど難しいわけではありませんが、ちょっとしたコツのいる興味深い手術で、なんといっても口元を比較的容易に目立たなくすることができる点で魅力のある手術だと思います。
口角拳上術も今年増えた手術のひとつです。
傷のことが問題になりやすいのですが、これも術後の効果がわかりやすいという点では魅力のある手術と思われます。
このように一般的な手術があまりなく特殊な手術が大部分の変わったクリニックになってきたようです。
来年はいったいどのような手術が増えるか、楽しみでもあり少し不安でもあります。
年々確実に体力が衰えてきていることを実感しながら、どこまで患者さんのご希望にこたえることができるか、来年は正念場になりそうです。
今年1年間、いろいろな方に大変お世話になりました。
またご遠方からこんな片田舎のクリニックまで足を運んでいただいた患者さんに感謝申し上げます。
来年もよろしくお願いいたします。
それではよいお年をお迎えください。
美容外科クリニックにとって1年で一番忙しい月が、すでに半分経過しました。
毎年恒例?の振り返りと来年の抱負を、と思いましたが・・・。
一言、来年も続けていきたいことを書きます。
それは、鼻の手術、特に鼻先の手術の患者さんによる「術中確認」です。
詳しいことはまたの機会に書くことになるかもしれませんが、とにかくこれを続けていきたいのです。
その理由は、ここにこそまさに手術に対する患者さん側の意識と医者側の意識の違いが決定的に出てくるからです。
ほとんどの美容外科医の意見は、「鼻の手術中に出来栄えを確認することは全く意味がない!」と言い切ります。
私自身ももちろんそういった「美容外科」からの立場から言わせてもらうならば「意味なし」です。
つまり術後にいろいろ起こる医学的な反応を考えると、術中にいくら確認してもそれがそのまま結果になるわけではないから、というのがその理由だと思います。
ところが逆に術中の確認を希望される患者さんは、これができるからうちのクリニックを選んだとおっしゃいます。
患者さんも術中に確認したことが100%結果になるとは考えていないかもしれませんが、手術結果に納得するためにはこれが一番重要と思っているのではないでしょうか。
手術に対する考え方の違いが分かってとても面白い、というのが私の実感です。
術中に目を輝かせてご自分の鼻を見ている患者さんの姿を拝見して、美容の手術は患者さんにどれだけ「感動」を与えられるか、だ、と我々も実感できるのです。
こちらも患者さんの感動をおすそ分けしてもらっている気分です。
だからこれだけは続けていきたいのです。
来年は、これをもっと発展させていきたいぐらいです。
ご希望の患者さんにはご自身の手術中のすべてを見ていただけるようなシステムができればなあ、と考えているのですが・・、これはちょっとやりすぎかもしれませんね。
先日の日曜日、東京で行われた「鼻のセミナー」に参加しました。
これが今年出席の最後のセミナーになりました。
年が明けると1月早々にJSAPSの美容外科学会があります。
7月にも行われる同学会は新潟で行われる予定ですが、会長先生の依頼で「眼瞼下垂」のシンポジウムでの講演をお引き受けすることになりました。
依頼されるのは非常に名誉なことなので快諾しましたが、きっと期日が迫ってくると「なんで安請け合いしてしまったのだろう」と後悔するのはいつものことです。
話は変わりますが、今月の30日月曜日から来月12月2日水曜日までの3日間、スタッフの教育研修のためにクリニックがお休みになります。
開業以来正月三が日以外にクリニックを全面的にお休みしたことがなかったのですが、今回初めての試みになります。
患者様にはご迷惑をおかけしますが、更なる医療サービス向上のための教育の一環としてご協力のほどよろしくお願いします。
12月はすでに年末までほぼ手術の予定が入っていますが、キャンセルが出ることもありますので初診のかたで手術などお急ぎの方はお問い合わせください。
10月もあと少しになってしまいました。
今月は診療以外でセミナーがあったり会合に出席したりで少しバタバタしました。
最近はそういった機会に、自分より若い美容外科ドクターと話をする機会が多くなりました。
自分が年を重ねているから当たり前なのかもしれませんが。
そんな折、たびたび気になることが二つあります。
一つは、長く形成外科の手術の鍛錬をされてもちろん専門医をとっているドクターが、美容外科で開業すると途端に手術をやめて美容皮膚科医になってしまうこと
もう一つは、同様の経歴をお持ちのドクターが美容チェーン店に入職して、売り上げが振るわず何となく肩身の狭い思いをしてること
こういったドクターの現状を耳にすると本当につらく感じてしまい、もどかしい思いをしてしまいます。
もちろんいろいろな開業スタイルがあるわけですから、それをとやかく言うつもりは毛頭ありません。
しかし10年以上も形成外科で手術にかかわってきて、手術の腕もすばらしいドクターがそれを美容外科の手術で生かさない、あるいは生かし切れないのは、患者さんの利益という面から大きな損失になっていると思っています。
自分の診療の現状には、これまで積み重ねてきた研鑽内容がとても効率よく反映されていると感じているだけに、若いドクターに少しでも自分の経験が伝えられることができたらと、やや説教気味に話をしてしまうこともあります。
そこには私自身が同じような経験をしてきているから、という理由もあります。
話が長くなりそうなのでまた機会があれば続きを書いていきます。
追記ですが、それに関連したことを、一度書籍のような形でまとめていこうという動きもあります。
先日、横浜で第38回美容外科学会総会が行われました。
私自身は無事シンポジウム2演題の発表が終わり、今週はほっとしているところです。
暦の上では、来週の半ばで9月が終わり10月になります。
10月1日は当クリニックの開業記念日です。
そうです、開業してから丸7年が経過、10月からは8年目に入ります。
この7年、振り返ってみると、時の過ぎるのは本当に矢のごとくあっという間でした。
ここ1年ぐらいで鼻の手術が急増し、今は実にクリニックで行われる手術の9割ぐらいが鼻の手術になってしまいました。
さらに鼻の手術を受けられる患者さんの8割以上が他府県からの患者さんであることを考えると、今の場所で開業していることに疑問を抱くようになってきています。
来年以降、もう少しクリニックの立ち位置を見つめなおさなければいけないタイミングかな、と思っています。
ただいずれにしても、初心忘れるべからず、を忘れないように精進してまいりたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
先月から作業中だった「電子カルテ」への移行がようやく落ち着きました。
新患・再診の患者さんを問わず一切紙カルテを使わない状況になりました。
最初は私もスタッフも何となく不安で落ち着かない状況でしたが、それもなくなり、逆に慣れてくるともう紙のカルテには戻れなくなっています。
以前の患者さんの紙カルテ情報はすべて電子カルテに取り込むようにしていますが、それがすべて完了するにはまだまだ時間がかかると思います。
ところで今月シルバーウィークに美容外科学会が行われます。
以前も書きましたが、結局シンポジウムに2演題の発表を予定していますので、その準備に追われています。
座長からの要望で「動画」の発表にしてほしい、とのことで動画編集に四苦八苦しています。
こちらもとても使いやすい編集ソフトを見つけたので今回の学会準備作業で一気にマスターしてしまおうと思っています。
この歳になるとなかなか新しいシステムに慣れるのが難しくなりますが、何事にもとりあえずチャレンジするのが老化防止にもなると言い聞かせています。
残念ながら最初の手術で満足できなくて鼻の修正手術を考えているかたへ少しでも力になればと思って書きます。
今までにも何度も書いてきましたが、鼻の手術は最初の手術が一番重要です。
最初に丁寧な手術を受けられた方は、鼻の軟骨の変形も少なく術後にできる瘢痕も非常に少ないのがわかります。
私は修正手術中に中の様子をダイレクトに見ることができるので確信をもって状態がわかります。
しかし一般の患者さんがご自分の軟骨や瘢痕の状態を直接うかがい知ることはできません。
そこで術後にご自分の鼻の状態をある程度知ることができる目安をお伝えしたいと思います。
まず鼻の穴の中の傷をよくごらんください。
この傷がすごく目立ち鼻毛がない部分が広いとか、ぼこぼこしている、何かが膨らんでいるものがふれる、などの症状がある方は、かなり中が傷んでいる可能性が高いです。
今回アップさせていただいた動画の患者さんの状態も、一度の手術にも関わらず軟骨がかなり傷んでいましたが、術前に鼻の穴の中に上記のような症状がありました。
軟骨が変形していたり分厚い瘢痕がある鼻の修正手術には、それなりの難しい手術が必要になります。
鼻の手術は最初が重要ですが、それと同じぐらいあるいはそれ以上に重要なのが2回目の手術です。
さらにいえば、2回目の手術の術前カウンセリングがもっとも大切でそれによってその後の運命が決まってしまうといっても過言ではありません。
修正手術を焦ってはいけません、いろいろなクリニックで相談してみることが重要です。
暑い日が続きます。
手術も連日続いています。
今年の春からずっと続いていた鼻の手術も今週のお盆休みでひと段落です(9月からまた鼻の手術が毎週予定されています)。
モニター患者さんの手術の動画を鼻専門サイトのほうにアップしました。
鼻の手術そのものに興味がある方は専門サイトの動画ページをご覧ください。
かなり細かいところまで解説しているので医療関係の方にも満足していただける内容だと思います。
逆にリアルな動画になっていますので一般の方で苦手な方はご覧にならないほうがいいかもしれません。
この動画の患者さんは、隆鼻術と鼻尖縮小術(鼻翼軟骨の引き寄せ縫合)を受けておられる方で、結果に満足されずに当院で修正となった患者さんです。
一度の手術にも関わらず、軟骨などの変形はかなり重度で瘢痕形成も強い患者さんでした。
こういった場合、軟骨を同定することから始める(リセット)のですが、手術時間の大半を瘢痕の除去や軟骨の修復に費やすことになります。
当クリニックではSEGを伴う鼻の手術の6割がこういった修正手術ですので、この手のリセットには慣れています。
しかしリセットが終了してからが本来の鼻の手術の勝負どころになります。
いかに患者さんの希望する鼻に近づけるか、これについても今後鼻の専門サイトで詳しく解説していく予定です。
2020年度から「本格的」な専門医制度がスタートします。
来年度から5年かけてこの新制度に移行していくようです。
「本格的」という意味は、今までのように学会の内輪のメンバーで作った制度ではなく、第3者機関が管理する制度である、という意味です。
今までの「専門医」と呼ばれるものは其々の学会が独自に決めた基準で決定していたものですが、それでは自分たちに都合のいい基準になってしまう恐れがあるから、ということでしょうか。
ところが美容外科学会(JSAPS)に関しては少なくともこれは当てはまらないように感じます。
つまり今までの美容外科学会専門医のほうが、これからの新しい専門医の基準よりもはるかに難しかったからです。
私が従来の専門医だからというのではなく、美容外科学会全体の意見がそうなのです。
その結果、美容外科専門医の数はこれから急激に増加していくことが予想されます。
これは患者さんにとって利益になるのでしょうか?
そのあたりは今後の経過を見ていかないと何とも言えませんが、少なくともこれから美容外科専門医になったとしても、従来通り医師には実質的なメリットはなにもないことに変わりはありません。
将来の標榜医制度まで改革する(つまり専門医でなければその科の標榜はできない、といった大胆な改革)のであれば、それはそれで大きな意味を持ってくると思われるのですが・・・。
私個人としては、医師にはどんどん厳しい制度を作ったほうがいいと思うのですが、そこは、どこかの国の選挙制度改革と同じでなかなか思うように進まないわけです。