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ここまで、「形成外科」を修了して「美容外科医」になろうと考えているドクターに向けて参考になれば、と思って書いてきました。

結局は、医師あるいは外科医としての基本であるところの、術前の綿密なカウンセリング、丁寧な手術、術後のきちんとしたフォローアップ、が美容外科においても重要であることがわかります。

美容外科だからといって特別なものは何もありません。

ところがこの基本すらまともに守られないのが今の美容外科の現状です。

それどころか、残念なことにもっと「くだらない」「情けない」世界が美容外科を取り巻いているのです。

それは特にいまのようなネット社会になってからひどくなっているようにも思えます。

巧妙な偽りの宣伝広告、同業者によるたくみで狡猾な足の引っ張り合い、まったく科学的根拠のない治療行為の横行、医療の安全を無視した診療体制、など知れば知るほどうんざりするような状況があります。

私自身開業してネット被害者になるとは予想もしていなかったために、次から次へとおこるネット上のまったく身に覚えのない中傷誹謗に対して一時医師不信に陥ったこともあります。

名誉棄損に触れるような事例には、何もしないでやり過ごそうとするよりもただちに「法のプロ」にお任せするほうがいいことも知りました。

いざ美容外科で開業するとなかなかきれいごとだけでは生きていけないことを知り情けないやら落胆することもありますが、納得できないことには毅然とした態度で臨むとともに、一方では診療の基本であるところの「患者さんの満足」という美容外科の目的を決して忘れないようにすることが重要です。

いやな面を補って余りあるほど魅力のある「美容外科」というものを信じてもいい、と思いたいし、そう思える同業者が増えることを心から願っています。

卑しい美容外科医にならないためには、自分を本当の意味でのRich manにすることが必要です。

心ある美容外科志望の医師であれば、この「Rich man」の意味を取り違えないで正しくご理解していただいていると思います(巷に見受けられるキラキラの金持ち「風」美容外科医を想像しているのでなければ大丈夫です)。

実はもう一つ、患者さんを不幸にしてしまう美容外科医の種類がいます。

とにかく、手術がしたいから来院した患者さんには必ず手術する、という貪欲な医師です。

外科医であれば、手術をしたいと思うのはある意味致し方ないことです。

またそういう医師のほうが手術症例をたくさん経験できるのでいわゆる「名医」と呼ばれることもあるかもしれません。

手術経験症例「10,000例」などと吹聴する医師がいますが、私から言わせるとこれは「切り捨て御免10,000例」としか聞こえません。

きちんと手術を考えて準備をし、手術も全力で行い、術後も検診を定期的に行っている医師であったならこんなにたくさんの患者さんを手術することは不可能です。

要するに手術以外のどこかのステップを省かない限りこれだけの数の手術をこなすことは不可能です。

その場合、省かれる可能性が高いのが術後の検診で、手術をしたらいっさい患者さんを診ない、と豪語する美容外科医もいます。

術後の経過を診ないことは医師の時間の節約になるかもしれませんが、問題点がいつまでたってもわからないので、同じ過ちをおかすことにもつながります。

こういった美容外科医にならないためには、このシステムが医師本人だけでなくクリニック(病院)全体の問題であることが多いことを知る必要があります。

術後の患者さんを医師に会わせないように、スタッフが長年教育されているとなると一朝一夕では改善が難しいかもしれません。

もちろん医師だけで診療を行うのは難しい場合、スタッフと協力しながらのチーム医療が必要ですが、術後の検診は術者自らがチェックしなければ検診の意味がありません。

美容外科医になる前に形成外科研修時代を過ごしている医師にとって、これはあたりまえのことで、自分の手術の経過に責任を持つことと興味を持つことを美容外科医になっても続けていかなければいけないのです。

タイムリーなニュースが出ましたね。

「大手S美容外科を相手に患者40人が訴訟」という記事をもう読まれたことと思います。

その中に患者さんの訴えでこんなことが書かれていました。

「術前にこうなること(術後痛みが消えない)を知っていたら手術を受けなかった」と・・・。

実にごもっともな訴えで、患者さんが本当に気の毒で同情の念を禁じ得ません、一日でも早く回復されることを願っています。

ここで一言、お叱りを受けることは承知で言いますが・・・S美容外科の医師もそのことは術前から十分知っていた、だからこそ患者さんには伝えられない・・・とも考えられます。

彼ら(S美容外科の医師たち)は歩合制で雇われていて、高い手術をすれば給料が上がるシステムで働いているのです。

患者さんが手術をやめてしまうようなことを術前にわざわざ言うでしょうか?

もちろんこんな美容外科医になってはいけません。

では、そういった美容外科医にならないようにするにはどうしたらいいか?

答えは簡単です。

美容外科医は「患者さんに手術(施術)をすることで、儲けて、自分の生活の糧にする」という発想をやめることです。

間違えてはいけないのは、「儲けるな」と言っているのではないのです、ボランティアで患者さんに奉仕しなさい、と言っているのではないのです、ましてや人並み以下の生活をしなさい、と言っているのでもありません。

ある有名な本に書かれていたことで、「rich manの定義」において「何も仕事をしないで何日生活できるか、それがrich manの尺度だ」というのがあります。

手術を希望する患者さんがいる、いないに関係なく、淡々と理想のカウンセリングを続けられる美容外科医になる、つまり美容外科医は本当のrich manであるべきだというのが私の考えです。

自分が何も仕事をしなくても普通の生活ができる立場になれば、逆に純粋に美容外科(に限らず本当に自分の好きな)の仕事に心置きなく専念できます。

そうすれば「患者さんの満足」という原点にもどった本当のカウンセリングや手術が自然にできるようになります。

ちょっと乗ってきたので前回記事の続きを書きます。

カウンセリングについて、です。

一般的に美容外科医は術前の「カウンセリング」の重要性を知っていますが、本当に患者さんが満足できる「術前カウンセリング」を何人の先生が行い得ているか。

美容の手術を受けて不幸にも不満足な結果で悩んでいる患者さんの一番多い訴えは「不十分な術前カウンセリング」なのです。

内容はともかく、少なくとも十分に時間をかけて「カウンセリング」をおこないえているか・・・。

ところが現実は術前カウンセリングが数分・・・という信じられないところが圧倒的に多いのです。

これから美容外科医になろうとしている先生がたにとってもそんなことは信じられないかもしれませんが、実際に30分以上のカウンセリングを続けるのは最初は大変なことです。

なぜならそれだけ時間をかけているとどうしても患者さんの望まないことまで言及することになるからです。

そうなればなるほど手術を受ける気満々の患者さんの意気が消沈していくのが手に取るようにわかります。

何度かそれを繰り返していると美容外科医はだんだんカウンセリングに時間をかけるのを「逆効果」と考えるようになります。

目の前から「手術の機会」と「売り上げが消える」ような行為をだれが好き好んで行うでしょうか?

その結果悲しい「美容外科医」が出来上がるのです。

とりあえず簡単なカウンセリングで患者さんを手術に持ち込んだもの勝ち、と考えるようになります。

でも患者さんの満足度を最優先に考えるとこれではだめなのです。

とても難しいことですが、最初は「手術の機会」「手術の売り上げ」はなくなっても仕方がない、と自分自身に言い聞かせながらひたすら患者さんが満足するカウンセリングを行わなければいけないのです。

要するに美容外科医が本来持っている煩悩を捨てて患者さんと向き合わなければならないのです。

これはとても苦しいことですが、私のような煩悩の塊のような人間が苦しまずにできるようになるための秘訣のようなものはあります。

それは次回で・・・。

「その10」で書きましたように、今の八事石坂クリニックを開業するまでにおよそ6年間の準備をしました。

私自身の慎重な性格も関係していますが、開業までにこれほどの時間が必要だったのはある心配事があったからです。

開業前にいろいろな美容外科で勤務医として働いていたので美容外科の経営の実態はよく知っていました。

保険診療に頼らない100%自費診療で開業するにはある意味きれいごとでは経営が成り立たないといわれています。

美容外科手術を主体としたクリニック経営は、ある意味「矛盾の塊」です。

手術の適応を厳密にし、術前カウンセリングで十分な時間をかけ、手術についての厳密なインフォームドコンセントを行い、手術中は患者さんの満足度だけを考え、自分自身が持てる力を100%発揮することができる環境を維持する・・・・これだけ考えても患者さんにとっては当たり前のことかもしれないことが美容外科クリニックを経営するうえでは大変なこと(これは患者さんに手術についてきちんと説明をすればするほど時間がかかるうえに、逆に手術を受ける患者さんは減ってしまうという一番恐ろしい状況になります・・・ここがほかの科とちがう美容外科の悲しさですね・・・また患者さんも美容外科医自身も納得できる最高の手術には恐ろしく時間と費用がかかるのです・・・)だと思い知らされます。

要するに厳密にこれらを守れば、費用と時間がどれだけあっても足りない状況になるため、経営の効率を考えるとそれらのうちどれかを犠牲にせざるを得なくなります。

この状況は、これから夢をもって開業する美容外科医にとってはとても恐ろしいことです。

私の場合この大問題を解決できる方法を見出すのに6年間の時間が必要だったのです。

具体的にそれは何か・・・ここで書きたいのはやまやまですが、なんせネットの世界は「揚げ足取り」「同業者の嫉妬」がうごめく世界ですから変な風評を立てられては困りますので・・・書けません、あしからず。

確実に言えるのは、美容「外科医」としての実力を身に着ける努力を怠らないことと、もう一つは実力があるだけではだめなのだと身に染みて思うこと(「実力のある美容外科医」というだけで満足してはならない)、さらに言えば一般の美容外科医の常識にとらわれず自分を「患者さんの満足」という原点に立ち戻らせること、などです。

そうやって考えると「美容外科」はまだまだ改革する余地にあふれるとても魅力のある世界に気付くことができます。

最近新聞の報道について、誤報問題などが取りざたされる機会が増えてきました。

我々は新聞とは「真実」を伝えてくれるもの、という理解を長い間持ってきました。

真実は一つしかない、という立場に立てば、新聞が何紙もあること自体矛盾するわけで、結局新聞で書かれている「真実」は単にその新聞社の事実の解釈にしか過ぎないといえます。

新聞は、それでも情報の発信元がはっきりしている分だけその内容についての責任の所在がはっきりしていて、後々誤報に対する謝罪や訂正ができる点で、メディアとしては上等な部類に入るといえます。

ところがネット情報(特に匿名で投稿される記事やコメント)になるとその内容に対する責任の所在はほとんどはっきりしないことが多く、たとえその内容が間違っていたとしてもそれを責任もって訂正することすら行われません。

たちが悪いことに、そういった無責任に書かれている内容のほうがより真実に見えてくることがあるのです。

真実よりも多少なりとも脚色されたストーリーのほうがドラマとしては興味を引きやすい、ということは慣れない頃だれでも経験したことがあります。

我々情報の受け取り手が、それが真実かどうかを見極めるうえでこのことはいつも頭にとどめておくべきです。

つまり、あまりにもありがちな、しかも受け取り手に素直に入ってくる情報ほど脚色の可能性を疑うべきです。

身近な例を挙げれば、美容外科のある手術の情報を得ようとするときに、こちらの期待通りのうたい文句(痛みもないしダウンタイムが無いにも関わらず、はっきりした若返り効果が得られます、など)の施術についての情報があったとすれば相当脚色されている、と考えたほうがいいでしょう。

さらにいえば、クリニックのHPに掲載されている術前術後写真を参考にする際に、目を引きやすい写真がならんでいればそこに明らかな脚色がなされていることを簡単に見つけることができます。

一見どこが変わったかわかりにくい術前術後写真ほど、よく見るとその施術によってどこがどのように変化したかがわかる写真であることにも気づけるようになります。

真実は時として一目ではわからなくても、それを見抜く力を身につければ目の前に容易に姿を現してくれるものです。

今日10月1日、八事石坂クリニックは7年目に入りました。

多くの患者様、スタッフ、関係者様のご協力のもと無事に本日まで診療を継続することができ、感謝しております。

これからも一層患者様の信頼にこたえることができるように努力する所存ですので、今後ともよろしくお願いします。

さて、最近は手術やカウンセリングが大変混み合いまして患者様にご迷惑をおかけしています。

ここで特に増加傾向にあるご遠方の患者様にお願いしたいことがあります。

美容外科の手術を受けられる場合よい結果のためには定期的な術後検診が非常に大事になってまいります。

当院での手術をお考えの患者様には術前に、術後の検診のことも十分検討していただいたうえで、時間的に無理がないかどうかをよく考えていただいてから決定していただくことをお願いしています。

手術の結果は、数か月、場合によっては数年かかることもあり、また予想しないことが起きることもあります。

ご遠方からの患者様には、大きな負担となるかもしれませんが、定期的な検診は重要ですのでよろしくお願いします。

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