芸能人の薬物汚染のニュースを見るたびに、精神を健全に保つことのむずかしさを痛感します。
特に人気商売の芸能人にとっては、人気絶頂期から転落するときほどミゼラブルなものはありません。
美容外科医もある意味「人気商売」的なところがありますから、芸能人張りに精神状態がかなり侵されている医師達を目にすることもあります。
そういった医師達の中には、一時患者さんに人気があって流行っている時期を経験し、少し有頂天になったところから転落する、といった悲劇を絵にかいたような方たちもいます。
逆に、ずっと経営不振が続き、金銭的に追い詰められ無理な手術を繰り返し、その結果患者さんからのクレームがたび重なって精神的におかしくなる医師もいます。
美容外科の世界ははたから見ると華やかに見えるかもしれませんが、想像以上に厳しい面があります。
その荒波の中で、どうやって精神状態を平静に保ち、日々の診療で患者さんに満足していただけるか・・・美容外科医は一度真剣に考える必要があります。
ほどほどのアルコールで気分転換する、という医師は多く、それはそれで度が過ぎなければいいと思うのですが、私のように飲めない医師にお勧めするのは、とにかく週に何回か体を動かす習慣を身に着けることだと思います。
もう一つ美容外科医にとって精神的に一番いいのは、術前に患者さんに対して絶対にうそをつかない、ということです。
今までの記事で書いてきましたが、当クリニックのカウンセリングは他のクリニックとは少々違っています。
初めての患者さんは戸惑うかもしれませんので、事前に以下のことをご理解していただいてから受けていただくといいかと思います。
おひとりの患者さんに対して時間枠(30分枠もしくは1時間枠)を用意していますが、無料ではありません。時間で料金もかわります。
カウンセリングでは、手術の方法の説明はあまりしません。手術が決定した段階であらためて詳しい手術の説明書をお渡ししながら一つ一つ説明いたしますのでご心配なく(どこのクリニックよりも、どのネット情報よりも詳しくいたします)。
カウンセリングにあたっては、まず今まで受けられた治療があれば、その経過をご本人の感想を踏まえてできるだけ詳しく教えてください。ない場合はご本人のご希望(手術方法ではなく、ご自身の悩みや解決したいとお考えになっている点など)をいろいろな面から(話でも写真でもいいです)伝えていただけると助かります。
こみいったお話の場合は、1時間では短すぎることがあるので、ご面倒でしょうが複数回のカウンセリングをおすすめします。
手術については、こちらからお勧めすることはありません。手術はしない、という選択肢を必ず残しながらカウンセリングを受けてください。
「手術を前提としたカウンセリング」では、「本当のカウンセリング」にはならないというのが私の考えで、一般のクリニックが行っているカウンセリングは単なる「手術の術前説明」にすぎないとお考えください。
幸い当クリニックで手術を受けられた患者さんで、術後に「術前にそのようなことを聞いてなかった」とか「術前に十分に意思が伝わらなかった」というご不満の声がほとんどないことが、十分な術前カウンセリングができている証拠だと自負しています。
一方でカウンセリング時に、考えのまとまっていない患者さんや、どう見ても手術を勘違いされている患者さんには、はっきりおことわり申し上げるか、患者さんの希望にそぐわない内容のお話しすることがあり、不愉快な思いをされることがあるかもしれません。
できるだけ患者さんのご希望を第一に考えるよう努力はいたしますが、現実問題としてそれが難しい場合があることを御理解ください。