先般からお知らせのように9月29日・30日は博多で開かれる日本美容外科学会出席のため休診となります。
電話の受け付けはおりますので、お問い合わせはできます。
いろいろと忙しかった9月もこれで終わりになると思うとやれやれですが、最後まで気を抜かないようにしたいと思っています。
学会のプログラムを見ているとまだレーザーや高周波などの非侵襲的な治療の紹介?(注意:学術発表ではありません・・・器械の紹介?です・・)が幅を利かせているようです。
スポンサーの顔色をうかがいながらの発表にどれだけの価値があるかわかりませんが、こういったパターンの発表には少々食傷気味です。
もちろん手術の発表も多いし、イノベーション的な内容のものも多くありますので非常に期待しています。
会場となるのは、あのなつかしい「グランドハイアット」です。以前の記事に書きましたが、このホテルで使われているアロマが気に入って開業時にうちのクリニックの待合室にも同じものを導入しました。
いまでもこのアロマを使い続けています。
先日も鼻の修正手術がありました。
患者さんはとてもお若い方で、1年ほど前に他院で鼻尖縮小術と鼻尖への耳介軟骨移植を受けておられました。
本人の弁では術後から鼻尖のかたちが丸くなったのが気になるので、それを治してほしいとのことでした。
よく拝見すると、正面では鼻尖はそれほど太くはありませんが、横から見るといわゆるround tipになっていました。
鼻尖縮小の術後では一般的な変形です。
この患者さんの一番の問題は軟骨などのフレームの問題よりも皮膚が厚いことにありそうでした。手術によってさらに厚くなったのかはわかりませんが、厚みに加えて皮膚の硬さも気になりました。
今回の手術を始めてみてわかったのは、その原因は皮下にびっしりと張り付いた瘢痕によるもので、これが皮膚の弾力をうばって板のようになっていた、ということです。
もちろんこれは前回の手術後にできたものですが、はっきりした原因まではわかりません。
今回の手術でこれらをできるだけ取り除かないと鼻尖のかたちは改善できません。
この手の手術を担当された先生ならお分かりになると思いますが、皮下にかたくついている瘢痕をすべて取り除くのはとても骨の折れる作業です。
ついうっかり薄くし過ぎると、皮膚の血行まで痛めてしまい最悪鼻先の皮膚が死んでしまったり、傷の中に皮脂腺が露出して感染の原因にもなりかねません。
こうなってはこの若いお嬢さんの一生は取り返しのつかないことになります。
手術中はハラハラドキドキしながら少しづつ少しづつ皮膚を薄くしていきます。
最終的に鼻翼軟骨に皮膚をかぶせてもなんとか鼻尖のかたちが出るところまでうすくしていきました。
美容外科で鼻の手術をする場合、術前に皮膚の状態を十分把握してから手術法を考えないといい結果が出ないばかりでなく、次の手術の大きな妨げまで作ってしまうことになりかねない、というのが今回の教訓でした。
先月にこのブログやスタッフブログのなかで私の腰痛や頸部痛のことに触れた関係で、患者さんやいろいろな方面のかたにご心配をおかけしまして申し訳ありませんでした。
おかげさまで腰も頸もすっかり回復いたしました。
体調も万全です。ありがとうございました。
今週からジム通いも再開できましたし、昨日の8時間手術にもからだは十分耐えられました。
今後体の管理だけは今まで以上に気をつけたいと思っています。
ところで目下、20日の論文原稿の締め切りにむかって診療の合間合間に執筆活動に明け暮れております。
ところが2年のブランクは大きかったようでなかなか頭が執筆に集中できず、すぐに雑念がでて原稿が遅々として進みません。
「夏休みの終わりの宿題」状態になっています。
とくに今日のように「あと10日」というのが一番中途半端でいけません。
やらないといけないとわかっていても「まだ10日もあるから何とかなる」とつい遊んでしまい・・・いっそのことあと2~3日しかなればあきらめもつくのに・・。
他事を始めてしまって結局原稿が一枚も書けていない状態がここ数日続いています。
今日のこのブログも「逃避行動」かもしれません、挙句の果てに今更ながらどうしてこんな原稿引き受けたのだろう・・・と後悔しはじめています。
早く楽になりたいです。(ところが20日が過ぎると今度は30日の学会へ向けてプレゼン準備が待っているのです・・・。)
先週末、韓国に行ってまいりました。
脂肪を溶かすレーザーを使いこなしている韓国のクリニックに見学に行ってきました。
行きは台風の影響で中部国際空港からのフライトは早々とキャンセルになり、結局羽田から飛ぶことになりました。
それでも何とか予定に間に合って有意義な韓国訪問となりました。
そのクリニックはチェ先生が経営されているユーロクリニックです。
実はこの先生とは今から4~5年前にも別のレーザーのことでお会いしたことがあるのです。
今回再会するまでお互いにそのことは知らなかったのですが、再会と同時にお互いに思い出して「あー、あの時の先生」と私。チェ先生も同じことを叫んでいました・・たぶん。
その時も脂肪を溶かすレーザーがミーティングの目的でした。
そうです、脂肪を溶かすレーザーというものはかなり前からいろいろな器械が出ては消え、出ては消えているのです。
今回のレーザーはどうでしょうか?効果に期待したいところです。
器械は次々に消えていきますが、人間の欲望(脂肪を少しでも楽に減らしたい)は日本であろうが韓国であろうが永遠に不滅です。
韓国滞在時間22時間の「弾丸トラベラー」でしたが、滞在中はルートロニックのスタッフの皆さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。
チェ先生もレーザーについてとても有用な情報(ルートロニックのスタッフからは決して聞くことができない・・・?!)をありがとうございました。
先日も鼻の修正術がありました。
2年ほど前に、東京のクリニックで手術を受けたことがあるとのことで、いつものように術者と手術の状況を詳しくお聞きしてから手術にのぞみました。
外見から見た感じでは(手術の内容は鼻尖部軟骨移植でした)鼻先がかたくなっていないし、状態はそれほど悪くないな、と思いました。
実際に手術をしてみると(今回は鼻中隔延長術です)、修正手術につきものの「瘢痕」はほとんどなく、移植された軟骨はそのままの形をたもっておりきれいに除去することができました。
以前紹介した修正術の患者さんに比べると、鼻翼軟骨もまったく痛めつけられていなくてとても手術がやりやすかったため、通常の修正術に比べて時間もほとんどかからず一気に仮組固定まで進むことができました。
ただ唯一難点をあげるとすれば、鼻先の皮膚が一部薄くなってしまっていたことです。
2年間で移植軟骨によるプレッシャーによって鼻先の皮膚がある程度薄くなってしまうのは仕方がないことなのかもしれません。
この段階で麻酔をさましてご本人に鼻先の位置などを確認していただき、2~3回微調整をしたあと、移植軟骨の角が出ないように、面取りを入念にし、小さな軟骨をさらに移植して全体の形を整えて手術を終わることができました。
今回の手術でつくづく感じたのは、手術をうけるなら丁寧な先生(今回の先生の手術はとても丁寧だったと思います。それは手術の跡をみればすぐわかります。)に手術をしてもらうべきだということ。
またどんなに上手で丁寧な先生に手術をしてもらったとしても結果がご本人の気に入らなければ再手術を考慮しなければならないこともあるのだということ、です。