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昨日は安全とコストについて書きました。

今日は「自由」と「コスト」です。

「自由」とは、他人のコントロールを受けることなく一個人の判断で物事を決定し、実行することができ、それに対して自分が責任を持つこと、あるいはそういうことのできる環境、です。

私は今回の開業にあたって、自由診療だけにして保険診療はやらないと決めました。

その理由は美容医療には保険診療はむかない、ということと、保険診療はあくまで管理医療であり、医師が考える最善の診療がそれによって妨げられる可能性があると考えているからです。

「自由診療」というと医者が好き勝手にできるように感じる人もいるかもしれませんが、それなりの責任と経験が必要です。

自由診療を責任をもって行うためには、それまでに多大な時間というコスト(犠牲)を払う必要があったのです。

話は昨日にもどりますが、エネルギーについても国の電力事業という束縛からは完全に自由になれないまでも、それなりのコストを払えばある程度は我々の手でコントロール可能になります。

情報についても、いまやインターネットでありとあらゆる情報が我々の手にゆだねられるようになってきましたが、情報のどこかに何か恣意的な力が及んでいないか常にチェックする努力が必要です。

情報も自らコストを払って獲得しなければ本当のことはわかりません。何のコストもかからずに獲得できる「情報」には必ずなにかしがらみがあると思ってまちがいありません(最近口コミサイトに貴クリニックのいいことを書きますよ、という業者からの営業メールが頻繁にくることからも、これらの情報になにが隠されているかは明らかです)。

美容外科の手術を考えている患者さんで、自分の判断で考え決定したいとお考えであれば、それなりの時間と費用を惜しんではいけません。

私のクリニックでは、カウンセリングを通じてそういった患者さんに「自由」な判断ができるように、情報を惜しみなくお伝えすることを日頃から努力しています。

今日はすこし美容とは関係ないお話を・・・・。

電力などエネルギーについて少し考えてみたいと思います。

原子力推進が、電力のコスト削減を御旗に行われてきたことに非常に興味を覚えました。

確かに短期的にみるとそうなのですが、こういった不測の出来事が起きるととんでもなくコストがかかってしまう、という事実が今回の事故の教訓です。

私はこう考えるのです。

「安全」にはコストがかかるということです。

一見安いものの方がいいように見えて(なにも起きなければそうなのですが)、なにか起きた時はとんでもないコストのつけが回ってくる・・・。

世の中のこと、すべてそうです。それを忘れてはいけません。10~15年前にそれを考えなかったつけが今回ってきているだけです。

特に「安全」にかかわる医療、食品なども同じです。

以前の記事でも書きました。医療の安全にはそれなりのコストがかかりますが、それは患者さんから容易に見えないものなのです。

話をもとに戻します。

私のうちは15年前から太陽光発電です。設置にはかなりのコストがかかりましたが、信念一つで踏み切りました。

信念といっても大それたものではありません、エネルギーに関して他人からコントロールされるのはいやだったからです。

そんなわがままが結果世の中の安全につながってくれているのであれば、決して高い買い物ではなかったと最近考えるようになりました。

鼻中隔軟骨延長術について、患者さんから「術後曲がるって聞いたんだけど・・」とか「術後軟骨が吸収されたって聞いたんだけど・・大丈夫ですか?」という質問を時々うけます。

それらは絶対ないとは言えませんが、まずその原因として考えられることを挙げてみましょう。

1・・鼻中隔軟骨の粘膜剥離の層、範囲の問題

2・・移植軟骨の採取による問題

3・・移植軟骨の形状のトリミングの問題

4・・移植軟骨の合わせ方(2枚を合わせて移植する場合)

5・・移植軟骨の移植の仕方・固定法の問題

6・・鼻翼軟骨のアドバンスの左右差の問題

7・・鼻翼軟骨の移植軟骨への固定の問題

8・・鼻尖部へのonlay graft の形状の問題

9・・onlay graftを固定する場所と固定法の問題

10・皮膚縫合、とくに鼻孔内の縫合の問題

・・・・ざっと挙げてみました。

最近は手術中にこれらの項目を一つ一つ確認しながら手術をすすめています(時間的にはここまでで3時間30分ぐらいです)。

そうすることで少なくとも術後に「曲がった」とか「吸収された」「鼻づまり」とかの問題はほぼ解決されます。

しかし鼻中隔軟骨延長術の目的は、バランスのいい目立たないけれどきれいな鼻を作ることで(鼻の手術は全部そうですが・・)、これらのチェック項目をすべてクリアできているのが前提です。

この手術の難しいところ、あるいはメインになるところ、はじつはここから先の問題になります。

フェイスリフトには場所によって頬フェイスリフト、こめかみフェイスリフト、前額リフト、頸リフトなどがあります。

こめかみリフトは頬リフトと一緒に行うことが多いのですが、その場合の皮膚切開をどこにおくかで側頭部の髪の毛の中を切る場合とこめかみの生え際を切る場合に分かれます。

髪の毛の中で切ると傷が一見目立たないように感じるので生え際を切るよりそちらのほうがいいように考える患者さんが多いようです。

古典的な教科書にも髪の毛の中を切る方法が紹介されていることが多いようです。

ところが長い目で見るとほぼ100%、生え際のほうが目立たなくなります。

術直後は髪の毛の中のほうが目立たないのですが、暫くするとわずかですが切開線にそって必ず禿げができます。

黒い髪の毛の中で白い禿げの線は、それがたとえ短くても目立ってしまうようです。

逆に生え際の切開線は最初こそ少し傷が目立ちますが、早い人で3カ月遅くとも1年もたつとほとんど目立たなくなってしまいます。

傷そのものはどちらでも同じように治るのですが、それが「目立つ」かどうかになると圧倒的に生え際切開のほうに分があるようです。

実際にそれぞれの患者さんを術後2年以上経過して拝見させてもらった上でのお話ですので、真実に間違いないです。

人間はその人にふさわしい役割を与えられると信じられない結果を残すことがあります。

手術方法も同じです。

その手術方法にふさわしい使われ方をすれば、とてもいい結果が出ます。

これを我々は「手術の適応」とよびます。

もともと適応が決まっている手術もありますが、いろいろな試行錯誤の結果その手術の適応が確立される場合もあります。

たとえば「スレッドリフト」とは糸でリフトアップを図る手術法ですが、上手に使うと非常にいい結果がでます。

逆に間違った適応で使うと何の効果を出すこともできません。

適応があるかどうか慎重に検討する必要がありますが、そのためにはいい加減な手術をしてはいけません。

きちんとした手順で手術をしてその結果をきちんと評価することで、初めてその手術の適応が確立されます。

新しい手術というのはそれぐらいの時間と集中力、忍耐が必要です。

新しい手術をやっている、とブームに乗っかるように宣伝する行為は患者さんに迷惑をかけるだけでなく、その手術そのものをだめにしてしまう可能性があるのです。

スレッドリフトに限らず、具体的には鼻中隔延長術、下眼瞼下制術、SMAS、リガメントなど名前だけが独り歩きしているような気がします。

これらの手術法を宣伝行為に使うのは(そういうクリニックにかぎって正しく手術を行っていないという皮肉な事実があります・・)手術そのものを間違った評価に陥らせる可能があるのです。

今年の9月下旬に福岡で美容外科学会(JSAPS)総会が行われます。

今回の学会はテーマがアンチエイジングということでそれに沿ったシンポジウムが予定されています。

先日8日に演題の締め切りがあり、私もなんとか1演題応募しました。

こういった機会を利用することで、過去自分が行ってきた手術を見直して評価をすることができます。

準備期間はまだ4か月弱ありますが、あっという間です。

学会によって休診になりますが、詳しくは9月にはいったところでお知らせします。

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