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8月もそろそろ終わります。

今年の夏は暑かったです。エアコンなしでは一睡もできない、という人もいたのでは・・・。

ブログの更新もずいぶんご無沙汰です。

書いてはいたのですが、どこかしっくりこないものばかりで、書いては削除書いては削除・・ばかりでした。

これもいっそのこと暑さのせいにしてしまおうかと考えているうちに1週間があっという間にすぎてしまいました。

ここ数日の円高傾向も、政府の「断固とした対処」発言でようやく一服といったところでしょうか。

これだけ世界の上位から転落の一途の国の通貨が強いっていうのは、納得しかねますね。

肉食系の各国が覇権を争う中に、ポンと放たれている唯一の草食系動物、という感じがします。

患者さんから見てどこの美容外科クリニックがいいかを見極めるのはなかなか難しいようです。

とくに大がかりな手術を考えている患者さんの場合、クリニック選びは結果に大きく影響します。どんな方法でもいいからどこがいいクリニックなのか、どのドクターが腕がいいのか知りたいと思うでしょう。

われわれ美容外科医のあいだでもどのドクターの手術がうまいかどうかを判断するのは非常に難しいところです。ただあえて根拠とするに耐えうるものをひとつあげるとすれば、どのドクターがその手術をテーマにした論文を書いているかどうかです。

クリニックのホームページに載っている症例写真を参考にすることもありますが、我々プロの間でそれを高く評価することはありません。ホームページに掲載されている内容は、一般のかたにアピールするためのものであって学問的な客観性には乏しいと考えられています。

我々がもっとも信頼のおけるものとして考えているのは、われわれプロの美容外科医が読む雑誌(「学会機関誌」や「商業雑誌」とよばれるもの)に載っている論文です。

美容外科医同士がお互いの仕事をチェックするときは判断基準がもっとも厳しくなります。それに耐えうる資料として雑誌に論文として発表し症例写真やデータを開示します。もちろん雑誌の編集室もいい加減な論文を掲載するわけにはいきませんので掲載するまでに何回かのチェックを受けることになります。そしていったん世に出された論文は未来永劫残される資料になるのです。

論文内容は、いかに独りよがりの結論の導き方を排除するか、長期的にその結論が変わることがないかどうかが十分に吟味されていると考えられているわけです。

それに対してホームページをはじめネットに書かれていることなどは、それとはまったくちがった観点で語られ写真も掲載されていることを十分にご承知のうえ、吟味なさったらいいのではないでしょうか。

美容外科の手術によるトラブルの話です。元来、美容外科医療というのは人を幸せにするものです。それにも関らず、こういった話を話題にしなければならないのはとても残念です。

最近、複数の美容外科医療関係の人から聞いた話から分かったのですが、この業界でとても流行っている「あるクリニック」(最近はいわゆる独り勝ちだそうです)でのトラブルがとても多くなっているということです。

うちのクリニックにも同じようなトラブルにあった患者さんが来院されます。とてもお気の毒なのですが修正しようがないほどでした。

断っておきますが、私とそのクリニックとの間にはなんの利害関係もありませんのでそのクリニックのことをどうこういうつもりはありません。

私が言いたいのは、「繁盛することの弊害」です。

一般に商売が繁盛することはとてもいいことのように思われますが、そうばかりではありません。周りを見渡してもそういったお店が長続きしているケースはそれほど多くないことが分かります。長続きしていてもだんだん質が落ちてくることもあります。

美容業界もけっして例外ではありません。

術前に一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけてカウンセリングすればトラブルのほとんどを防ぐことができる、というのが私の信条です。せっかく来院された患者さんであっても、施術の適応がなければお断りするようにしていることも開院以来かわることはありません。

これらは基本中の基本なのですが、大がかりな宣伝をして商売が繁盛することで、そのどちらもできなくなることは火を見るより明らかです。

少数の常識ある患者さんに支えられている今の自分のクリニックにあらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

先日、久しぶりに釣りに行きました。

釣果はまあまあでしたが、それよりも納得のいく釣りができたことにとても満足しました。

釣りはイメージのゲームです。水の中にいる魚がどのような状態にいるかを想像しながら、餌に興味を示してくれるようにいろいろと工夫をします。

魚の状態も一定ではありませんから、刻々と変化する魚の状態に合わせてえさにも変化をつけます。

「今、魚はこういう状態だから、餌はこうしたほうが釣りやすいはず・・」と思ってちょっと餌に変化をつけるとそれに魚がきれいに反応してくる時が至福の時です。

たくさん釣れなくてもこういう釣りが一番好きです。

往々にしてたくさん釣れすぎるときは、「釣っている」というよりは「釣られている」ような感じがしてかえって納得がいかないこともあります。

そのあたりが、釣りに魅力を感じる部分でもあり、奥が深いと感じるときでもあるのです。

先日の記事に書きましたが、本来美容外科医になるまでには医者の初期研修(2年間)を終了してからもある程度の他科研修は必要だろうと思います。

私の経験から美容外科医になるのに必要と思われる(初期研修期間を含めて)ものを考えてみました。この中には私自身が実際に研修してきた科もありますし、そうでなくて研修できたらよかったな~と思うものも含まれています。

麻酔科研修:半年(麻酔科研修は美容に限らず外科系に進もうと考えている医師には必須です。)

形成外科研修:2年~3年、(他科研修の中では一番長い研修期間をあてていますが、形成外科専門医をとろうと思うと6年間の研修が必要になりこれはちょっとしんどい気がします。)

一般外科(腹部外科もしくは乳腺外科):1年~2年(美容外科でボディの手術をするうえで研修できたらいいなと思いました)

頭頸部もしくは耳鼻科研修:1年~2年(鼻の手術やフェイスリフトの手術をするうえで研修しておくと何かと役に立つと思いました。)

選択科目として口腔外科、精神科などの研修:半年

一番最短で5年間、長くて8年間の他科研修になります。これらを終了あるいは5年目ぐらいから美容外科のトレーニングを開始、美容外科の研修期間を5年と考えれば早くて卒後10年で美容外科専門医を取る資格が与えられる、という計算になります。

私の場合、一般外科研修のかわりに整形外科の研修をしている以外は、ほぼこれに近い研修をしてきました。ただし、美容外科専門医を取ったのが卒後22年目でしたので、余分に10年はかかりすぎている計算になります。

今の美容外科専門医制度には形成外科専門医が必要であるためどうしても形成外科研修が長くなりすぎた結果だと思っています。

先日、某国立大学の整形外科の教授と話をしていたときに話題になったことなのですが、それは「形成外科」は大学の中での評価が危機的であるということでした。

ここ数年、国立大学病院でも経営が厳しく問われていて、各科の売り上げに応じてその科の評価が決まる傾向にあります(一般の公立病院でもこういったことは15年以上前からいわれていて、私が形成外科の限界を感じたのもその頃のこういった事情が直接関係していました)。

今までの大学における形成外科はその科の性質上、他科との共同手術が多く(再建外科と呼ばれる手術が非常に多いため)、形成外科独自の売上という点では働いている割に少なくなります。

業績というものは客観的に評価しようと思うとどうしても数字、つまり売上で評価するシステムになってしまいます。そういった病院を取り巻く殺伐とした事情が冒頭のような話の根底にあります。

評価が低い科は予算が減らされ、人員のポストも売り上げに応じて減らされる傾向にある一方、形成外科医はなかなか「形成外科」という標榜科で開業できないため(この名前で開業しても患者さんには何をしてくれる科かわかりませんから・・)公立病院や大学病院のポスト頼みになってしまいます。

今後この傾向は悪くなることはあってもよくなることはありません。日本の経済状況が右肩下がりのいま、「形成外科」にとっては受難の時代が続くと思われます。

しかしこのような状況に陥る元凶は、こうなるずいぶん前からつくられていてそれをつくったのはだれあろう「形成外科」本人ではないのか、というのが私の考えです。

日本の「形成外科」はあまりに「再建外科」に偏りすぎていて、「美容外科」を切り捨ててきたという歴史があります。そうなったのには当時の「形成外科」を取り巻く環境が関係していてやむを得なかった部分もあるでしょう。

しかし学問的にいえば「形成外科」と「美容外科」は切っても切れない関係にあるにもかかわらず、政治的な思惑でこの真理をまげて日本独自の「再建形成外科」を発展させてきた、そういった「つけ」が今になって表面化してきたのだと私は考えています。

この問題には根深いものがありひとことでかたずけるのは難しいため今後機会があるたびに触れていきたいと考えています。

美容外科の手術のなかに「ブラインドオペ」というのがあります。日本語に直訳すると「盲目手術」です。手術部位を見ないで手探りでする、という意味になります。

これも美容外科独特の手術手技だと思います。他の外科系の手術で、術野を見ないで手探りでする手術など聞いたことがありません。

美容外科にはその科の性格上どうしても皮膚表面の傷を小さくする必要があるので、ブラインドオペなるものが存在するのです。

「隆鼻術」や「豊胸術」などや広い意味でいえば「脂肪吸引術」もブラインドオペです。

しかしブラインドで手術をするということは、解剖のしっかりした知識と実際に目で見て手術した経験が豊富にあるということが大前提になります。

それだけでも美容外科手術には、医者として外科系医師として豊富な経験がなければやってはいけない手術が含まれていると理解できます。

本当の美容外科手術は、昨日まで内科医だったり初期研修を終えたばかりの医者が一人前の顔をしてする手術ではありません。

さらに「美容外科」と「形成外科」の関係について。

「美容外科」手術のすべてがうまくいくものであれば、形成外科の修練は必要ないかもしれません。

しかしすべてがうまくいくわけではないことは、術者、患者さんみんなが承知していることです。

そうなるとやはりリカバリーショットが打てることがプロの美容外科医の条件になってしまうのです。

リカバリーショットは通常のショットとは違います。

まず最初からいろいろな条件が不利であるといえます。また術者にかかるプレッシャーが断然大きい、結果が出せなければさらに状況が悪くなることもあります。

そんな中でさらに1発で結果を出さなければならないということになると、術者は度胸だけで手術に踏み切ることはできません。

おかれている条件を冷静に判断し今までの数々の経験から方法を選択し、時期を決定、患者さんに説明しなければなりません。

その時に術者の唯一のよりどころとなるのが、形成外科の修練で経験したことになります。

内容が少し抽象的になりましたが、このことがわかっていただければ、逆に形成外科修練は美容外科医として必要条件であるが十分条件ではないことも理解できると思います。

なぜなら美容外科手術のすべてがリカバリーショットでできるものではなく、むしろそれ以外の多彩なショットによるもののほうが多いからです。

美容外科には共通した決まったゴールというものがありません。個々の患者さんとのコミュニケーションを通してそれぞれのゴールを設定していく作業が大切になっていきます。

そういった作業は「美容外科」独自のものであり、原型修復といった命題をあらかじめもつ「形成外科」の修練では決して身につけることができません。

「形成外科」と「美容外科」の関係について患者さんに少しでもお伝えすることができれば幸いです。

さらに続きです。形成外科の必要性についてです。

昨日は「通常の美容外科手術には形成外科の診療経験はほとんど必要ない」ということを申し上げました。

誤解のないように申し加えますが、それはあくまで「通常」の美容外科手術の話です。私の経験でいえば、難しい美容外科手術や修正手術にはやはり形成外科の知識や診療経験が絶対に必要になってきます。

たとえば「皮膚の重症外傷」の治療経験は実際に「美容外科」手術には必要ないのですが、この治療経験があれば、皮膚の損傷の原因や程度、治療のタイミングというものを理解することができます。

また、皮膚の治癒過程、瘢痕治癒の時間的経過、瘢痕修正の可能性、タイミングなども的確に知ることができるようになるのです。これを経験するにはやはり「形成外科」の実地研修が最適です。

さらに形成外科においては、顔面の組織欠損の治療には組織移植や人工物による治療を必ず行います。その基礎理論と実際の臨床経験をつむことができるのは「形成外科」研修でしかありえません。

形成外科研修を行わなかった美容外科医との決定的な違いはここにあるのです。通常の美容外科の手術にはこの判断力は必要ありませんが、美容外科手術の術後でなにか不測の事態に陥った時、その対処の仕方、最適なタイミングでどう対処していくかの判断は往々にして「形成外科」の知識経験が必要になってきます。

昨日のたとえでいえば、どんな状況でも「より早く」かつ「より安全」に車を運転するには、教習所では習わないような急ブレーキやスリップ路面での車の的確な運転操作、タイヤが滑っている状態で冷静に車体を立て直すなどの訓練が必要とされるのと同じです。

さらにいえばこういった訓練は一回経験したから終わりではなく繰り返しおこなって完璧に身につけておく必要があるということも言えるのです。

昨日の続きです。「美容外科」に「形成外科」が必要かどうか。

形成外科もしくは外科系の修練をしているドクターと、そういった修練をしていないドクターの相違は、日常の美容外科診療では表立ってわかることはありません。つまりほとんどの美容外科手術には形成外科の修練は必要ないのです。

たとえて言えば要するにエンジンのことは詳しく知らなくても車は運転できタクシーの運転だって問題なくできるのと一緒です。

患者さんにとって普通の美容外科手術をうけるだけであれば、それほど形成外科出身の美容外科医にこだわることもないだろうと思っています。

それよりも形成外科専門医だからと美容外科の手術のエキスパートと考えてしまうほうが怖い場合もあります。美容外科手術なんて簡単にできる、と考えている形成外科専門医も実際にいます。そういったドクターによって手術をされてトラブルになっている患者さんもよくお見かけするからです。これ以上の具体的なことは申せませんが、それほど珍しいことではありません。

形成外科専門医でこれから美容外科を本格的にやっていこうと考えているドクターに一言言わせてもらうとすれば、美容外科は決して形成外科の一部などではありません。アメリカではそうかもしれませんが(研修システムの相違です)現在の日本ではそうではありません。美容外科をなめてかかると患者さんに迷惑をかけるばかりでなく、美容外科には形成外科が必要である、という根拠までなくしてしまいかねません。

形成外科修練を終えた美容外科医として標榜、あるいは美容外科専門医と称して看板をだす以上は、従来の中途半端な形成外科医としてのプライドは捨てて、一般の美容外科医にも一目置かれるようなエキスパート中のエキスパートになるよう日々努力をするべきだとかんがえています。私自身もそうあらねばならないと日頃から心がけて診療をしています。

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