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症例写真を更新しました。モニター21番の患者さんです。術直後は少し腫れましたが、術後1カ月以降は順調に回復しました。

術後1カ月から3カ月までメイク無とメイク有の経過をアップしましたのでご覧ください。術後写真はこちらです。

手術のリスクについては、一般的に、手術で起こりうる危険性、というとらえ方をされます。

美容外科の手術における「リスク」とは、手術によって自分の身に起きてほしくない、望ましくない事柄、だと解釈しています。

当然、同じ内容の手術でも患者さんによってリスクはかわります。

たとえば今までに何度も埋没法で失敗してラインが消えた患者さんにとって、重瞼術の最大リスクは「ラインが定着しない」ことです。

ラインの形が気に入らなくてかえたい患者さんにとって、重瞼術の最大リスクは「ラインが変わらない」ことです。

いままで一重で初めて二重にする患者さんにとって重瞼術の最大のリスクは「二重がはっきりしすぎて不自然な顔になる」ことです。

二重の手術一つをとってみても、患者さんによってこれだけ最大リスクの内容が異なるのです。

手術方法を選択する上で、患者さんの希望がかなえられかつこの最大リスクを最小にできる方法がベストと言えます。

その患者さんの最大リスクをほうっておいて他の小さなリスクのことばかり考えて手術法を選択するといわゆる「本末転倒」ということが起きます。

そうやって何回も無駄な手術を繰り返したり、挙句の果てに取り返しのつかない状態になってしまうことは決してまれではありません。

最初のころ、初めて術者になって美容外科の手術をすると戸惑うことがあります。

もちろん術者になるには、何件か助手をしたうえでさらに自分で解剖のおさらいをして文献も隅から隅まで読んで準備をしてからです。

それでも初めて術者として美容の手術(たとえば切開式重瞼術など)をするとなにがなんだかよくわからない、という状態になります。

実際の手術でみた術野の風景は、前回述べた「空間認識力」が十分に備わっていても解剖の通りにはなっていないことを知り頭の中が混乱します。実際の術野は解剖から想像される位置関係とはかなりずれているのです。

その原因にはいくつかありますが 一番大きなものに局所麻酔があります。局所麻酔の場合は麻酔の量、注入の深さなどがちがうと解剖も簡単に変わってしまいます。手術に慣れてくると局所麻酔を別のドクターに頼むことがありますが、美容外科では術者自ら麻酔をするほうが無難です。手術には術者の癖が出ることを以前申し上げましたが、局所麻酔にも同様のことがいえるからです。

次に大きな原因として、助手の牽引の仕方です。手術の多くは術者一人ではできません。必ず助手がいります。美容外科の場合、手術の器械を渡してもらうこと以外に、助手に傷を開いてもらっていなければなりません(医学的には術野の確保といいます)。

助手のうまい下手は別にして、普段と違う助手に傷を開いてもらうといつも見ている傷の風景と全く違うことがあります。ちょっとしたけん引の力の差やけん引のひっぱり具合で見れるものが見られなかったりします。

一番いい助手はその手術の経験豊富な術者にしてもらうことですが、そんな贅沢はまずできません。

結局、手術の上達の近道は術者自らが毎回同じ麻酔をしおなじ助手についてもらいながら同じ手術を何例か繰り返すことです。

手術をするドクターを術者といいますが、術者にとって手術に一番必要なもの(資質)について。

それは「空間認識」力と考えます。それは「実際に見えているもの」から「見えていないもの」を推測して位置関係、距離、方向を割り出していく・・力です。

手術では、あらかじめ解剖によって臓器や組織の位置関係を頭に入れて臨みますが、術中に見えてくるものはそのごく一部だけです。術者は、自分の視界に見えているものから全体の位置関係を頭にイメージしながら目的の部位にたどりつこうとします。それが正確にイメージできればできるほど手術の精度とスピードが上がっていき、結果的に「手術がうまい」という状態になります。

この力はある程度天性のものかもしれませんが、努力によって身に付く部分もあると思います。

似たような話で大学生の時に友人から聞いた話で強く印象に残っているものに、サッカーの話があります。

サッカー選手に一番重要な資質はなにか、という話で、ふつうはずば抜けた体力というように考えやすいのですが、そうではなく、「目」だという話でした。その時は、視力のことかな~と解釈していましたが、今回のワールドカップを見て思ったのは、この空間認識力のことではないかと気づきました。

我々はテレビでグラウンド全体を見ることができますが、実際にグラウンドに立っている選手には全体を見ることはできず、それとはまったくちがう風景を見ていることになります。その景色から我々がテレビで見るような図(俯瞰図あるいは鳥瞰図ともいいます)に近いイメージを持つことで初めて絶妙なところに移動あるいはパスを出すことができます。それを正確に一瞬にして描くことができる選手が優秀な選手ということができます。

空間認識力はゴルフなどほかのスポーツでも大事なものだと思います。

手術もメスやはさみで正確に切ることができる以前にまずこういった空間認識力がないと手術はなかなか上達しないし、逆に意識的に使うようにすれば飛躍的にうまくなる可能性もあります。

美容形成手術では術後どれくらいで結果が安定するか、というお話です。

手術の内容にもよりますが、通常言われるのは「術後3カ月」です。

しかし術後3か月はまだまだで、最低1年ぐらいというのが私の実感です。

欲を言えば2~3年、さらに5年後や10年後の自分の手術の結果がわかればそれは何物にも代えがたい貴重なデータだと思います。

こういったお話をするのも、昨日の記事に書きました伊藤先生から言われた言葉を思い出したからです。

伊藤先生は、整形外科で一つの仕事を成すためには長期的な術後のフォローアップがとても重要であることを若かった私に熱心に説いておられました。

当時はピンとこなかった私ですが、こうして毎日手術をさせていただいているとこのことが身にしみてわかってきます。

美容外科の手術を短期的に考えている術者もいますが、その手術の成否の判定には一人の医者の全人生をかけなければ結論が出ないこともあるのだということを忘れてはいけないと思いました。

昨日の伊藤先生の退職のご挨拶を拝聴し、あらためてこのことを思いました。

今日7月11日は、東京厚生年金副院長・整形外科部長の伊藤晴夫先生の退職記念パーティーのために上京しました。

若かりし頃形成外科医への道を半ばあきらめそうになっていた私を東京まで連れて行っていただいた、まさに私にとって「拾う神」が伊藤晴夫先生でした。

先生は大変手術が上手で(ちなみに今回のパーティーに出席していたドクターすべてが口をそろえて手術がうまいという評価でした)、私も今は整形外科の門外漢になってしまいましたが今まで出会った先生の中で一番手術が上手な先生でした。

それに加えてとても人格者で、指導者としても私が知る範囲では最高の先生でした。

今回の退官のご挨拶の時に先生がおっしゃった言葉にさらに感動しました。それはあれほど見事な股関節手術を短時間でされる先生が、「自分の手術中のイメージと術後にレントゲン写真でみたイメージがぴたりと一致するまでに10年はかかった」とおっしゃったのです。

その謙虚さ、自分の行った手術に対する厳しい評価、やはり手術の上手な先生はほかのドクターとは全然ちがうものだと感動しました。

そんな素晴らしい伊藤晴夫先生ですが、副院長という病院経営の重責にたいへんな御苦労をされたことに心が痛みました。

定年を前にして退職される先生のお話をうかがっていると先生の胸中にある無念さがひしひしと伝わってきました。

病院経営のために、優秀な外科系医師が今後活躍できなくなるとすれば、日本の医療の未来は暗いと言わざるを得ません。病院経営が優先されることで間接的に患者さん本位の医療が妨げられるとすれば日本国民にとってこれほど不幸なことはありません。

それにしても伊藤先生、本当にお疲れさまでした!そしてありがとうございました。

新しい手術法というものは突飛なアイディアから生まれることもありますが、昔の手術法の練り直し、というものがほとんどです。

練り直しのやり方にはいろいろありますが、同じ手術を別の適応に行っていくやり方、適応をかえるのではなく手術法そのものを洗練していくやり方、手術法は変えずに方向性だけ全く反対にしていくやり方、などです。

そうやって新しい手術法が生まれていきます。

そのために必要なことは、強固な基礎理論(解剖学や生理学の知識)と柔軟な発想力、繊細さと大胆さ、忍耐力と素早い決断力などなど、相反するものです。

それらのうち、どれが秀でているかによって、医師による個性の差が出てきます。

私は、一つの手術法を極限まで洗練するのが好きなので、強固な基礎理論と繊細さ、忍耐力がとくに必要だと感じています。そのための努力はあまり苦になりません。

うちの患者さんもそういう手術を求めている人が多いように感じています。とても少数の患者さんですが、その要望にこたえることが自分の存在理由だと考えて診療しています。

人に物ごとを教えるのは意外と難しいものです。

たとえばゴルフがとても上手な人が、必ずしも教え上手とは限りません。プロゴルファーであれば素人に教えるのもさぞうまいのでは・・と考えがちですが、そうとばかりはいえません。

プロゴルファーは自分のゴルフを上達させてきたプロであって他人のゴルフの上達を手助けしてきたわけではありません。ましてや他人にゴルフを教えることを訓練されてきたことなどないのです。プロゴルファー=ゴルフを教えるプロ、ではないのです。

ゴルフの雑誌や本を読んだことのある人ならわかると思いますが、トーナメントプロが書いている上達のコツなどはひとつとして同じものはありません。場合によっては正反対のことを言っている場合もあります。これをまねしてかえって頭が混乱し、自分のゴルフがめちゃめちゃになった人もいるのではないでしょうか。

もちろんゴルフスイングには共通した原理原則理論はあるとは思いますが、それ以上のことは人それぞれです。原則以上の一般的なゴルフ理論などあるはずもありません。

初心者にゴルフを教える場面を考えてみると、一番大事なことはまずその教え子のスイングを見て、その人の筋力のバランス、柔軟性、重心、くせなどを素早く分析し把握、またその人の目指すレベルを考案し、無理なく上達するための一番の近道を指南することができる・・そんな人が教え上手=教えるプロと考えられます。

そうではなくて、自分の今までやってきたことの単なる押し付けや一般的な理論の押し付けでは教えるプロとはいえません。そんなことぐらいならDVDや本を読めば十分事足ります。

これは美容外科のカウンセリングにもそのまま当てはまります。一般的な美容治療がすべての患者さんに通用するなら医者はいりません。そういったスーパーな治療法がないから我々のように患者さんの状態に合わせて治療を選択する立場の人間(=美容外科医)が必要になります。

一般的な美容治療に満足できない患者さんにアドバイスするとすれば、いろいろな美容外科医の話を聞きにいって、まずは今の自分の状態を正しく的確に把握してくれる医者を探すことが成功への近道だと思います。そこには時間とお金を惜しんではいけません。

押し並べて、自分を変えたい、と思うときに一番大事なことはなにか。それは集中力だと思っています。

たとえば学生の時に、自分の成績を上げようと思い立った時に一番大事なことはなにか。

きれいになりたいと思ったときに一番大事なことはなにか。

若返りたいと思ったときに一番大事なことはなにか。

それは少なくとも最初の半年間、集中して「ことをなす」ことです。同じ勉強をするにしても一般的に1年間ですることを半年ですることが重要です。

なぜなら同じように変わるにしても1年よりも半年で変わったほうが、より変化を実感しやすいからです。

変化を実感する、あるいは実感できた、という経験は非常に重要です。

なぜなら実感は自信につながり、さらにそのあとの努力の原動力になりうるからです。またその後の段階になると何もかもが非常に楽になります。

最初の時期ほどしんどいかもしれませんが、その後はどんどん楽になります。

この最初の点が欠けている人が多いような気がします。本当に変わりたいなら、最初に馬力をかけて時間・お金を集中して使うことが重要です。

これは世の中のすべてに共通した事柄だというのが私の持論です。

ただし今の現状を変えたくない人には全く必要のないことです。

他院の修正術にまじって、うちのクリニックで手術を受けられた患者さんの修正術もあります。

自分が行った手術の修正をすることは医者の腕が悪いと考える人がいるようですが、私は全く反対の意見です。難しい手術になればなるほど要求される精度が高くなりますが、人間の体はプラモデルではありませんので一回の手術で完璧な結果を出すのは一般の方が思うほど容易ではありません。

今までに自分の手術で修正をしたことがない、あるいは修正をしない方針という医者がいたら、その医者は名医ではなく術者自身に課している結果がよほど低いと言わざるを得ません。

腕がいい医者ほど自分の手術に責任をもって術後検診をしていますので、術前にお約束した結果が出ていなければ修正あるいは追加手術をすることに抵抗がないと思います。

私自身、患者さんに「ここを直してほしい」といわれれば、術前にお約束していない結果の要求でない限り、また無茶な要求でない限り、手術代は無料でお引き受けすることにしています。幸いうちのクリニックの患者さんは無茶なことをおっしゃる方がほとんどいませんので、修正を引き受ける引き受けないといった段階で揉めることがすくなく、こちらのストレスもあまりないので非常に助かっています。

うちで手術をお受けになる患者さんに性善説が成り立っているかぎり、また人間としての常識をお持ちである限りこの対応が今後変わることはありません。

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