少し前の記事の続きです。
以前のアプトスがどうなっているのかフェイスリフトの手術のときに見てみました。
これが術中写真です。
写真の下にみえているのが左耳で、上が口のほうになります。耳の前の皮膚を上にめくっています。
下のほうから金属のはさみのようなものでつかんでいるのがアプトスです。(青い糸のようなもの)
上の写真は左がアプトスを引っ張る前で、下がひっぱているところです。
写真の上のほうに描かれている丸の中の直線が法令線と考えてください。
右の写真では法令線が少し引き上げられているのがわかりますか?
アプトスでこれぐらいは引き上げることができるわけです。このあとアプトスは簡単に切れました。
アプトスの毛羽立ちがアンカーとなって皮膚を引き上げることができるのでしょうが、とても弱い様です。
術後大笑いしたとたんに切れちゃった、ということもあるかもしれません。
世界のトップ飲料企業のコカ・コーラについて。
コカ・コーラの「原液の製法」は最重要機密事項となっていて、その製法を知る人は世界で2人しかいないということらしいです。知っていましたか?
もちろんこれはコカ・コーラの価値の源泉がここにあるからなのですが、それにしてもこれほどの大企業が極端にいえば二人しか知らない秘密で成り立っているというのはすごいですね。
なぜ二人かというと、仮に製法を知っている人が一人だとその人がなくなったら伝える人がいなくなってしまうからです。二人のうちどちらかがなくなったら、慎重に後任を一人選び製法を口頭で伝えるそうです。この二人は同じ飛行機に乗ることさえ禁止されているとのことです。そこまでするんだ、世界のトップ企業は。
翻って、我々美容外科界はどうでしょうか?ちなみに私たちのいるヴェリテってホントあけっぴろげ、外部からの医者の見学者が結構多くて、しかも手術法を隠すどころか積極的に教えちゃています。学会でもどんどん発表していてガラス張り状態。ちなみに今年も去年も学会での演題数はトップクラスでした。他にも同じようなクリニックはありますが、大半のクリニックは他施設からの見学お断りというところが多いようです。ビジネス的にはこれが普通でしょう。
この点ビジネスモデルとしてはヴェリテは最低、ということになりますが、いつも新しい情報の出入りがあるので我々クリニックで働いている者にとって息苦しさがなく毎日が新しい発見になっています。そのことが患者さんへの利益になれば、それはそれでいいですよね。
今年、第一三共ヘルスケアから「肝斑」の特効薬と言われている「トランシーノ」 が発売になりました。
皆さんのなかにもテレビのCMで見て知った人も多いと思います。
近所の大手薬局チェーン店では5000円台で売っていました。
トランシーノの説明書によるとトランサミン1日量750mgとなっています。愛知医大の患者さんでのデータでは、この量で肝斑が消えてなくなるのはその3割ぐらいの人です。トランシーノのHPでも同じような結果が出ていました。
現在、愛知医大では肝斑の患者さんにトランサミン1000mg~1500mgを一日量として処方しています。(もちろんヴェリテでも)
この量であれば、改善率は80~90%に上昇します。ただし副作用として3%ぐらいに胃腸障害が出てきます。
トランシーノを飲んで効かなくて量を増やす場合は、自費診療をしているクリニックに相談されたほうがよさそうです。
今年もあと1か月を切りました。ヴェリテのほうは年末の手術の予定はほぼ埋まってしまっているような状況です。
今日は美容外科に全く関係のないお話です。
今年の秋ごろに新聞で見た記事ですが、「三重県の開業医の先生がFXで得た数億円の所得を申告しなかったため追徴金を払った」というのを見ました。今年の春にも「主婦がFXで得た4億円の所得を申告せず云々・・」という記事もありました。
ご存知の方もいると思いますが「FX」とは「外国為替証拠金取引」のことです。為替差益や金利差で儲ける投資の1種で金融ビッグバン以来、個人でも簡単に取引ができるようになって最近人気の投資手段です。
しかしこのFXは儲けに対する税金が総合課税といって一番不利なカテゴリーになり、たとえば上で挙げた開業医の先生の例ですと個人で取引した場合間違いなく最高税率50%が科せられます。主婦の方も同じ様に2億円!の税金を納めないといけないわけです。
「儲けたんだから当たり前でしょう!」という見方もできますが、彼らは儲かるかどうか分からない非常にリスクの高い投資をしていることを忘れてはいけません。たとえば今年の夏の様に急に円高になってしまう状況で大多数のFX個人投資家は被害をこうむっていると考えられるのですが、今年1年の通算で投資額がマイナスになったとしても来年の儲けと合算してチャラにすることはできません。(これを損金の繰越と言います)
具体的にいえばある個人投資家がFXで2006年に1億円損したとして2007年は1億円儲けたとしましょう。気分的にはこの2年間で儲けはなかったわけですから、税金を払う必要はないように感じます。しかし実際は2007年で50%の税金、つまり5000万円の税金を払い、前年の損金には救済なしです。(少し話を単純化しています)
この投資家はリスクをとって投資をし、儲けはゼロだったにも関わらず5000万円の罰金?を取られたようなものです。こんなあほらしい投資は世の中にそれほど多くはありません。外貨預金もかなりのあほらしい投資手段であることはよく知られていますが、株式売買、商品先物、日経平均先物、日経平均オプション、投資信託、MMF、預貯金などの投資手段はFXに比べれば税金面ではまだましなほうです。
先の開業医の先生や主婦の方が今年の取引で損を出していないことを祈ります。
突然、投資の話になって申し訳ありませんが、そもそもこのブログのタイトルにある~ロングターム・ビューティー・マネージメント~というのは、投資の世界で非常に有名な「LTCM」からとってきています。興味のある方は検索してみると面白いですよ。時々こちらの世界の話も載せていく予定ですのでよろしくお願いします。