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輪郭手術で初心者が気を付けないといけない点についての続きです。

前回に総論を書きましたが、追加です。

輪郭には正面から見た輪郭と横から見た輪郭があります。

患者さんにとって正面からの輪郭(頬骨が張っているとか、えらが張っている)は認識しやすいのですが、横から見た輪郭(プロフィール)の問題には、患者さん自身が気が付かないことが多いようです。

これについては鼻の項目でも書いていますので参照して下さい。

では各論に移ります。

まずは骨格手術ですが、美容外科初心者のドクターがいきなり骨格手術をすることはないと思います。

ただ骨格の手術の要点だけは押さえておく必要があります。

まず患者さんの陥りがちな勘違いですが、輪郭=骨格手術という認識です。

前述したように輪郭に関与しているものとして骨格・筋肉・脂肪・皮膚の4つのカテゴリーがあり、患者さんの気にしている輪郭の問題にどのカテゴリーが一番大きく関与しているかを明らかにする必要があります。

絶対的に骨格手術の適応になるのが、細くない顔にも関わらず頬骨が出っ張ているタイプです。

細い顔(あるいはこめかみとほほがこけている顔)でほほ骨が目立っている患者さんに頬骨の手術の適応はあまりありません。

こういった顔にはこめかみやほほのボリュームアップを考えた方が結果がいい場合が多いです。

えらが張っているタイプには骨格手術になることが多いのですが、同時に咬筋の発達している患者さんが多いので、この筋肉の問題も同時に解消する必要があります。

以下次号へ

今回から輪郭の手術についてです。

輪郭は結果を出しにくい手術の一つですが、基本的にはボリュームダウンとボリュームアップしかありません。

そして対象になるのは骨格 筋肉 脂肪 皮膚です。

大事なのはその患者さんの輪郭でどこに問題があるか、を素早く見つけることです。

そのためには、もし患者さんが女性であれば女性らしい輪郭は何か、若々しく見える輪郭は何か、術者もある程度イメージを持っていることが重要です。

患者さんの希望(例えばほほの脂肪吸引をしたいとか骨を削りたいなど)をよく聞くことも大事ですが、どんなイメージを持っているかを知ることのほうがはるかに大事です。

そんなときに患者さんの考えとは違う部位の違う手術が必要になることが結構あります。

ボリュームを減らす目的でほほの脂肪吸引を希望されてきた患者さんで、皮下脂肪はそれほどなくて皮膚がたるんでいるだけの場合、患者さんの希望の手術を請け負うだけではあまりいい結果が出ないかもしれません。

総論はそれぐらいにして次回からは各論を書いていきます。

フェイスリフト手術で大事な3つのポイントのうち

いかにたくさん引き上げるか と引き上げた状態をいかに継続させるか

について書いてきました。

最後の いかに自然な状態でひきあげるか について書いていきます。

ここで大事なポイントはすでに書いてきているようにたるみをバランスを崩さないように引き上げる ことです。

これは今まで詳述してきました。

もう一つ大事なことは、皮膚で引き上げないように引き上げる ことです。

ここまで読んでいただいた方にはわかると思いますが、引き上げるのは皮膚以外の組織、SMAS弁とか糸とかを使います。

皮膚は余分になった部分をトリミングするだけですが、このトリミングにも気を付ける点があり、それは皮膚を余らせないということです。

とくに頭側の切開線の端のドッグイヤーの処理を徹底的に行うことが重要です。

もちろん切開線自体は伸びますが、意外に術後に患者さんからクレームになるのが傷跡よりも皮膚のふくらみ(余り)なのです。

フェイスリフト手術は、手術の違いを見せるのが難しい手術で(あまり派手さがなく一見腕の磨きがいがないように思える)、結果が良かったかどうかにはとても時間がかかる、というところが初心者にはとっつきにくい手術かもしれません。

しかし細かく見ていくと形成外科的な手技があるのとないのとでは結果に違いが出やすい手術ともいえます。

次回からは輪郭の手術について書いていきます。

これから美容外科医として活躍しようと思っている若い医師がフェイスリフトでトラブルを避けるためにはどうしたらいいか。

解剖をよく勉強し、顔面神経麻痺を作らないように慎重に手術をして、たるみをしっかり引き上げた、症例を積み重ねた、さあフェイスリフトはマスターできた、といえるでしょうか。

もう一つ肝心な長期的な経過をフォローできたかどうか、それを行うにあたって一番重要なポイントはなんでしょうか。

それはずばり、経過写真を撮ることです。

患者さんを実際に診て経過を判断するのも大事ですが、より客観的に自分の手術の結果を知ろうと思うのであれば、経過写真を定期的に取らせていただいて分析することです。

いかに自分の手術の結果が、自分の期待している術後結果と程遠いものだということを思い知らされます。

術者にとっては非常につらいものですが、これを避けていてはフェイスリフトの実力は身につかないでしょう。

自分がいい手術をしていると思って何百例もフェイスリフトをしても術後経過写真の分析なくしてはなんの意味もありません。

もし美容外科医全員がこれを行っていれば、多くの医師がフェイスリフトの手術から手をひくと思います。

それは決して悪いことではなく、患者さんにとっては福音になるし、フェイスリフト手術に対する正しい認識を持っていただけることにつながると思います。

術後に、大なり小なりある意味「下がるしかないフェイスリフト手術」の道がいかに厳しいものか、といことを知ることがトラブルをなくす近道だと思うのです。

形成外科専門医でこれから美容外科医として診療にあたるドクターに向けて書いています。

前回の記事でフェイスリフト手術の落とし穴を書きました。

2次元的にあらゆる方向にたるみが生じているエイジングフェイスに対して、1方向に強く牽引するとそれ以外の方向のたるみが強調されてしまう、ということを頭に入れてプランニングする必要があります。

そこでトラブルを避けるための2つの方法は、

一つはバランスを考えながら牽引が必要と感じた方向すべてをしっかり引き上げる

もう一つは、バランスを崩さない程度に一つの方向をそっと引き上げる

になります。

どちらがいいか、それは患者さんに判断をゆだね選択していただくことになります。

しかしその前に、とても大事なことは・・・

今まさにずっと書いてきているように、自分が考える結果を確実に手術で実現できる実力を身に着けているということが重要です。

その実力があれば、患者さんにどちらの方針でいきましょうか、という選択をゆだねることができなおかつトラブルを回避することもできるといえましょう。

しかしこれはとても難しいことになります。

何故ならそもそも自分の行った手術がフェイスリフトの本来の効果をずっと維持できているかどうかは患者さんの術後長期フォローアップをしなければわからないからです。

では、初心者はフェイスリフトでトラブルを避けるにはどうしたらいいか、です。

次号へ続きます。

最近本当にTVを見る機会が減りました。

その代わりにyou tubeを見る時間がとても増えています。

自動再生に任せていろいろな動画を手当たり次第に見ることもありますが、中にはとてもよくできたものに出くわします。

使用する機材の発達によるものもあるとは思いますが、一個人でこれだけの動画ができてしまうと中途半端なテレビ番組などは将来視聴する人がいなくなる日が必ずくるでしょう。

同じような現象は、美容外科医療でも起きているように感じます。

今このブログで話題にしている「たるみ治療」などはそのいい例だと思います。

美容器械の発達により、術者に特別な技量がなくともある程度の効果を出すことができてしまうのです。

このままいくとそういった美容器械は、患者さん自身が家庭で手軽にできる家電品になってしまうのではないかとさえ思っています。

映像の世界に話を戻すと、これだけ動画作成が一般的になっても今なお見ごたえのある映画がなくなることはありません。

しかし、中途半端なクオリティでは見向きもされないので上質で高度な映像技術が必要になるものだけが生き残るようになります。

多額の費用と膨大な年月(もちろんそれにふさわしい上質な)必要とする映画や映像だけがプロの作るものとして認められる時代になるでしょう。

同じようにフェイスリフト一つをとっても、時間をかけ本当の効果を出せる術者と手術方法だけが残っていくようになると考えます。

去年の6月から、次の「美容外科医へ向けての本~続編(仮題)」の原稿下書きとしてこのブログを使って書いています。

本格的に本にするときにはもっと絵や写真を使わないといけないと思っていますが、今の時点ではそこまで手が回らず文を書くだけで精一杯なのが現状です。

早いもので86話になりましたが、たまには違った話題も書いていきたいと思います。

そうはいっても美容に関連する話題にはなりますね笑。

たまに映画を見る機会がありますが、素晴らしい映画って見終わったときに何の違和感も疲労感も感じさせません。

カスのような映画を見たときの後悔が全くないのです。

見終わったときの満腹感がなく心地がいいので、たとえその内容が難解であろうがグロかろうが、もう一回見てみようと思います。

私は気に入った映画は、冗談抜きで何十回(中には100回以上のものもあります)も見ます。

素晴らしい映画は毎回見るたびに新しい発見があります。

そういった映画ができる過程を知れば(その膨大な時間と労力、すべての素材の集中・集積具合など)、それは当然そうなるはずです。

しかし、実際の作品には一見しただけではその裏側にある「大変さ」はみじんも感じさせませんし、むしろだからこそ素晴らしいと感じてしまいます。

美容外科の手術もかくあるべきだと思うのです。

鼻先一つとっても、どれだけ時間をかけてもその影響の大きさを考えると時間のかけすぎはありえません。

しかも出来上がった鼻先にはそれをみじんも感じさせないほどの「自然さ」がにじみ出てないといけない。

そんな経験をすると、映画監督の作品にかける思いが痛いほどわかるようになって、また映画の見方が変わってきてとても楽しい気分になります。

さあ、患者さんと術前にとことん話し合って非侵襲的治療ではなく本格的な切開によるフェイスリフトに決まったとして、次は引き上げのバランスを見てもらいながらどこまでの範囲を引き上げるかをきめていくことになります。

もちろん主体になるのは「頬フェイスリフト」で、今まで書いてきたようなSMAS弁を使用した斜め上方に引き上げる方法で口元のたるみを解消します。

その時に見過ごされがちなのは、垂直方向のたるみです。

耳の前で皮膚を斜め上方に引き上げたときに、ほほの前面にハンモックのようなたるみによるしわが目立つようであれば間違いなくこの方向のたるみがあります。

つまりたるみは「あらゆる方向」に生じているにも関わらず、ある一方向だけに強く解消すると、ほかの方向のたるみが途端に露わになってくる場合があるのです。

もしフェイスリフトを高い次元で成功させようと思えば、こういった患者さんが予想しなかったたるみまでカバーするような方法を提案しなければいけません。

上記のようなケースでは、下眼瞼切開かそれをさらにすすめたミッドフェイスリフトまで行う必要があります。

術後にトラブルをなくすということは、時に患者さんが考えているよりも大きな手術をする必要があり、患者さんの提案をそのまま請け負ったり縮小するばかりではないことを知っておきましょう。

前回書いたフェイスリフトの矛盾について考えていきましょう。

たるみのバランスを考えながら、患者さんの気になる口元のたるみをいかにして最大限解消できるか。

まず第一に考えられるのは、バランスを崩さないように引き上げる量を手加減する、という手です。

切開をしてまで引き上げるのにこういったマイルドな引き上げで許されるのかについて、倫理的な問題は別にして、手術結果をめぐるトラブルを避けるという立場から言えば、このことを術前に正直にお話しするのが我々の立場です。

まずはほほを斜め上後方にめいっぱい引き上げ、ほかの部位のたるみとの関係をお見せして状況の説明をします。

気にならない様子であればその手術だけでOKとします。

もし目元や目じり、首やおでこのたるみが気になるようであれば、そこの手術の必要性を説明します。

もし広範囲な手術を希望されない、となれば顔全体のバランスを崩さないようにするためにマイルドなフェイスリフトをするかいっそのこと非侵襲的治療をお勧めするようにします。

切開するフェイスリフトを考えている患者さんにとって悩ましい判断になりますが、ここが術前の説明で一番重要な問題になりますので十分な時間をかける必要があります。

美容外科において本当のインフォームドコンセントというのは、こういったことまで患者さんに説明する必要があり、決して患者さんの希望する方法をそのまま請け負って手術することではありません。

これは我々にとってかなりしんどいことであり、場合によっては患者さんを迷いに迷わせてしまい結果的に治療に逡巡してしまうことになるかもしれません。

しかし、トラブルを避け患者さんの術後の満足を第一に考えるのであればこれが王道である、というのが私の考えです。

前回の続きです。

顔のたるみについて別の角度から考えてみましょう。

お顔全体でみた場合、口元のたるみが気になる患者さんでも顔全体にたるみが生じている可能性が高いという問題です。

つまり、たるみそのものにも「バランス」というものがあって、変な言い方ですが年齢とともにバランスよくたるんでくるものです。

口元のたるみは眼立ちやすいので、患者さんにとっては口元だけがたるんでいると考えがちですが、実際は目元おでこ、首もバランスよくたるんでいるわけです。

そしてフェイスリフトはある意味、そのバランスを崩すことになるとも考えられます。

そういった状況で、口元のたるみだけを強力に引き上げると今まで気になっていなかった部位のたるみが途端に露わになってきます。

フェイスリフトの術直後の顔が何か変だ、と思ってしまうのは、腫れによるものもありますがこういった問題も関係している可能性があります。

皮肉なことに、口元のたるみをガチンコでひきあげれば引き上げるほどこのひずみは大きくなってしまいます。

逆に大して効果のでない引き上げ術や非侵襲的治療のほうがこういったトラブルが少ないのです。

前回書いたように、切開してフェイスリフトする以上はめいっぱい引き上げたいところですが、引き上げれば引き上げるほどバランスがくずれていくという矛盾が生じます。

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