
目を閉じたり開いたりする時、動いているのはほとんどが上まぶたの動きです。
動物ではまぶたの開閉には下まぶたの動きも見られるのですが、ヒトではこの動きは進化の途中で退化したと考えられます。
解剖学的には下まぶたは上まぶたと全く同じになっています(ミラーイメージ)。
上まぶたを上にあげる筋肉があると同じように下まぶたを下にさげる筋肉がありますが、退化しているので動きはありません。
しかしよく観察すると下まぶたもほんのわずかですが動いています。その動きは眼を開くときに下まぶたが目尻側の上のほうに引っ張られるような動きです。
これは下まぶたが自ら動いているというよりも上まぶたの動きにしたがって動く「受動的」なものと考えられます。
したがってこの「受動的な」動きの大きい人は目を大きく開くと下まぶたも上に動いてしまい、大きく目をあける、という点では損をしてしまいます。
下眼瞼下制術はこの動きを抑えるような手術と考えるのが理解しやすいと思います。
この手術は理解するのが非常に難しいし、実際解剖学的に正しく手術をするのも非常に難しい手術です。
しかし一旦正しい形で手術が行われると非常に自然なアーモンド形のまぶたが作成でき、最近はやりの「たれ目」にすることができます
(図参照)。

この手術は、患者さんにとっても医者にとっても上級者向けです。患者さんにとっては効果が非常に微妙な手術なので、目を大きくする他の手術をうけたあとにさらに付け加えるような手術と考えたほうがいいでしょう。
美容外科にとっても、下まぶたの手術を何例か経験していて解剖を熟知している人でないと正しい手術をすることはできません。
軽度のたれ目にする場合、通常、結膜側を切開して手術をするため手術の傷は全くわかりません。
結膜切開後、上まぶたの挙筋・挙筋腱膜にあたるCPF(capsulopalpebral fasicia)を短縮することで下まぶたの位置をさげます。図2,3参照。
さらにたれ目効果を確実にしたい場合は、皮膚側も切開します。術後の傷はそれほど目立ちません。

