
2012年02月12日
美容外科にはいろいろな他科から転科されて活躍されているドクターがいます。
外科、整形外科、麻酔科、皮膚科などはもちろん、昨日まで内科を専攻されていたドクターまで美容外科医として活躍されています。
逆に美容外科といえば形成外科出身が本筋のように思われていますが、必ずしも形成外科出身の先生だから美容外科医として優秀とは限らないような気がします。
なぜなら、形成外科出身のドクターに手術してもらった患者さんの修正も結構あるからです。
むしろそういったドクターの手術後のほうが、結構ディープなところまで手術の手が伸びていて、とても修正が難しかったりします。
そういう私も形成外科出身で偉そうなことをいえないのですが、日頃から心掛けているのは美容外科の手術と形成外科の手術のちがいを忘れないようにしていることです。
美容外科の手術そのものは手技的にはそれほど難しいものはありません、なかには1日で習得できる手術もあります。
しかし、だからといって美容外科そのものが簡単ということにはなりません。
私が考える美容外科医療とは、突き詰めていくとそれぞれの患者さんの「心」が、美容外科手術を受けることで・・ぐっとくる(ちょっと言葉で表現がむずかしいです・・)、そういったことを手術で実現する、そう思っています。
そのためには美容外科医としてできるだけたくさんの種類の「結果を出せる手術」ができる必要はありますがそれだけでは足りません。
それ以上に必要な患者さんの「心」の問題とはなにか、それをいつも追求して忘れない姿勢こそ優秀な美容外科医としての資質だと考えます。
その答えはおそらく一生かけても結論が出ないほど美容外科は奥が深く、興味が尽きない、面白い科なのだと思っています。
2012年02月12日
ここのところ鼻に関しましては、プライマリー手術が続いて、ほっとしていました(プライマリー手術とは、修正手術ではなく当クリニックで初めて行われる手術)。
とてもしなやかな鼻翼軟骨に、瘢痕がまったくない皮下組織のために、術前に患者さんとお約束した形をほぼ忠実に作ることができ、術後の経過も今のところ順調のようです。
ところが先日の手術は、一転して他院の鼻尖縮小術後の修正ということで、術前からかなりプレッシャーを感じながら、術中は案の定、瘢痕との格闘となりました。
まぶたの修正手術も同様ですが、とにかく瘢痕をいかにコントロールするか、修正手術はこれに尽きます。
瘢痕によって伸びなくなっている皮膚やかたくなった皮下組織、軟骨をできるだけプライマリー手術の時のような状態にもっていけるかで、手術の結果が左右されます。
できるだけ瘢痕を取り除くことを前提に手術を始めるのですが、そうするとどうしても正常組織までダメージが加わります。
それでなくとも前回の手術でそれなりのダメージが加わっているのですから、術者にとって修正手術はまさに「針のむしろ」状態です。
手術後もプライマリー手術であれば、腫れも少なく、術後出血も少ないので経過が順調な患者さんがほとんどです。
ところが修正手術の術後は、術後出血も多く腫れも長く続き、さらなる瘢痕が生じ、術後に変形をきたしやすい、など悪条件が重なります。
それは瘢痕硬縮といって、術後に生じた瘢痕が縮まって起こることが原因です。
その硬縮に負けないような強固な支持組織が必要で、プライマリー手術よりも通常大掛かりな手術が必要になります。
患者さんには、何度も申し上げますが、手術は一番最初の手術が肝心です。
くれぐれも術前のカウンセリングには十分な時間と費用を惜しまないようにしてください。
その際、「簡単にできますから・・・」という美容外科医の言葉には油断してはいけません。
私自身、美容外科の手術で「簡単な手術」って思える手術はひとつもありません。
2012年02月07日
ここのところ眼瞼下垂術後の修正の患者さんが続きました。
いずれも他院で眼瞼下垂の手術をうけ、その後修正を受けた結果が思わしくなくて、当院での修正手術希望となった患者さんです。
修正術の修正ともなると、こちらもそれなりの準備をして手術を引き受けるかどうか決断することになります。
そのために前もって、手に入る情報を集めます。
最初の手術の術前の写真や、修正手術の直前の写真、それぞれの術後経過、患者さんは術者にどのように説明をうけ、患者さんはそれに対してどのように感じたか、最初の手術のあと修正したくなった理由などとにかくお聞きできることはなんでも聞いておきます。
そうして、最初の手術からうちのクリニックの初診に至るまでの流れをできるだけつかむようにします。
それから今の瞼の状態をつぶさに観察し、いままでどのような手術がおこなわれてきたか、それによって得られる結果と今の状態がむすびつくかどうか、などストーリーを組み立てます。
そこの段階ではじめて、当クリニックでの修正手術の内容、期待できる結果、リスク、術後経過などをまとめて患者さんにお話しします。そのためにカウンセリングは少なくとも2回は必要になることが多いようです。
これだけの準備をしても、実際に手術で傷を開けてみないとなにが行われてきたかはわからないケースが多く、患者さんにも術者にもたいへんストレスの多い手術となります。
なかには、前回の手術で挙筋腱膜にたどりついた形跡のない症例も見受けられます(同業者のかたで、そんなバカな、と思われるのであればあなたは手術の経験が足りない初心者か、逆にスーパードクターか、どちらかです)。
そこで感じるのは、術者に修正する自信がなければ眼瞼下垂の「修正手術」はできるだけ避けるべきで、それでも患者さんが修正を希望される場合は、セカンドオピニオンをすすめてもいいのではないかと思います。
中には、2回目の修正手術をやめておけばこんなことにならなかっただろうに・・・と思う症例もけっして少なくないからです。
2012年02月03日
最近の傾向として、他院でうけられたフェイスリフトの修正希望の患者さんが増えてきたように思います。
切開二重や鼻の修正手術は従来からあり、相変わらず多いのですが・・・それに比べて、以前も書きましたが、フェイスリフトの修正はそれほど多いものではありません。
もともと手術自体が高額であることと、結果がアンダーであるという以外にこれといって困ることがないためか修正手術を決意するまでに至らない、、ということでしょうか。
それでも修正希望される患者さんの目的は、とにかく結果を出してくれ、気になっているたるみをとってくれ、ということのようです。
このようなことを書きますと「え~そんな当たり前のことがかなえられないの~」と思われるかもしれませんが、それが現実のようです。
そういった患者さんの修正手術を実際にしてみると共通した所見があることに気づきます。
それは、まずSMASに全く手がつけられていないことと、皮下の剥離範囲が圧倒的に少ないことです。おまけに傷がめだつ、ということで、患者さんにとっては踏んだり蹴ったりの状態です。
真偽のほどはわかりませんが、患者さんはSMAS法だと説明をうけたにも関わらず、です。
SMAS法がすべてとは思いません。しかし、術前にそのように説明されたのであれば(若しくはHPで「うちはSMAS法をしています」とうたっているのであれば)、少なくともSMASを弁上に作成して後上方に引き上げることはされていなければいけません。
手術というのは、正直なものでいくら皮膚の下で行われたものでもちゃんと傷跡になって残りますから、再手術のときに前回の手術でどのような手術が行われてきたかはすべてわかってしまいます。
そういった患者さんもお気の毒だとは思いますが、なによりも「フェイスリフトってこの程度のもの?これならやらないほうがましじゃん・・」と患者さんに思われてしまうことがとてもつらいです。
2012年01月30日
最近、イタリアの豪華客船の事故がありました。
写真などで見ると、船は横たわっていましたが、沈んではいなかったので、どのような船だったかはなんとなくわかります。
豪華客船らしい大きな船だということはわかりますが、なんとなくトップヘビー(上回りが大きい=不安定)な印象はあります。
ニュースなどでわかることは、この船でのクルーズツアーは格安だったことと、そのためのコストカットがいろいろ考えられていたとのことでした。
格安=安全がなおざりにされていた、という結論を出すことは簡単ですが、それが=悪であると言い切れるでしょうか(亡くなられた方には本当にお気の毒で、心から哀悼の意を表します)。
今回の事故はたまたまで、本来はこういった事態が起きること自体非常にまれであり、今までは事故もなく多くのツアー客がこの豪華客船によるクルーズを楽しんできたのだという事実があります。
豪華客船でのクルーズなどは、今まで、相当なお金持ちで時間に余裕のある人だけが体験できるものだったのが、一般的な観光客にも広く楽しむことができるようにしたという面で、ツアーを企画した旅行会社の大きな功績だったのではないでしょうか。
きっと多くの人に夢を与えてきたという点で、十分正義であるといえるものでしょう。
逆にとても高価なツアーがあったとしても、絶対に安全と言い切れるものではありません。
ここには、「悪」も「正義」もありません。
要は、こういったサービスの世界には値段は最終的にその価値に見合ったものだけが残っていくという「市場の原理」があるだけです。
問題はその「最終的」な段階はいつ来るかは我々にはわからず、消費者はその途中の振り分けの段階にいつまでもいて翻弄され続けるということです。
美容外科による医療サービスも全く同じことがいえます。
美容外科の医療サービスにも、価値のあるサービスを提供するが高額なもの、価値のあるサービスを提供するが安価なもの、価値のない(あるいは粗悪な)サービスを提供するが高価なもの、価値のない(あるいは粗悪な)サービスを提供するが安価なもの、の4種類があり、これはいつの時代にも(そして未来永劫)共存していくもので、消費者からは価格以外はほとんど区別できないという悲劇があり、さらに厄介なのは、その「価値」の判断基準が人によって違うことで「悪」と「正義」の区別を完全につけることができないために、混沌とした状態に終止符が打たれることがないことなのです。
2012年01月28日
先週の美容外科学会もなんとか無事に終わりました。
今回の学会のテーマが「低侵襲手術について」でしたので、パネルディスカッションのテーマも「レーザー」や「注射」にまじって「スレッドリフト」がある、というかんじでした。
つまり「スレッドリフト」は、注射やレーザーのように「お手軽」なものという位置づけなのだと思います。
スレッドリフトが世の中に広く受け入れられるには、こういった「くくり」のほうが有利なのかもしれません。
私の中でのスレッドリフトの位置づけは、今までにも何度も書いてきましたが、「フェイスリフト」の効果をさらに上げるもの、というもので、「低侵襲手術」からは程遠いものです。
今回の私の発表も、この立ち位置に変わるところは全くありませんでした。
誰が見ても写真をみれば若返っていることがわかる、そのうえでわざとらしい「ひきつり」はない、というフェイスリフトを目指して行った手術について長期経過をプレゼンしました。
今回の発表のあとフロアーで、美容外科で開業されている先生(私より5~6年先輩で形成外科のころから存じ上げているFLでも高名な先生)から「結果がきれいですね~。普通のフェイスリフトでも難しい部分がよく改善されていますね~」と言われたことがとてもうれしかったのです。
一般の美容外科の先生でも、フェイスリフトは切らなければいけないし逆に切るわけだから結果は完璧なのが当たり前、と思われがちです。
しかし残念ながら、フェイスリフトのように切らなければならない手術でも結果を出す(結果とは上記のことを意味します)ことのむずかしさは、フェイスリフトを何百例も手術してその結果を数年~10数年と見てきたドクターにしか分からないと思います。
そういった経験をお持ちのベテランの先生に(一部ではあるかもしれませんが)認めていただけたことは、私の目指している美容外科に自分自身が少しでも近づけたのではないかと思い、非常に光栄でした。
こういったちょっとしたコメントをいただけるだけで、これからももっと頑張ろう、という思いに駆られ、今後の励みになりました。
発表してホントによかった~。(単純ですね!)
2012年01月19日
毎月1回、ご近所のデンタルオフィスでメインテナンスをしてもらっています。
かれこれ7年ぐらい続いています。
最近パソコンでプラークスコアという磨き残しの面積を毎回出してもらっています。
初回は10%前後でしたが、回数を重ねるにしたがって磨き残しの範囲も減り、先日は5.6%まで減りました。
担当の歯科衛生士の方にお伺いすると「きれいにみがけてますよ~」といわれるのですが、他の担当の患者さんでプラークスコア0%というひとがいるという話を聞いて「上には上がいるもんだ」と感心しました。
歯磨きの回数は人並みだと思うのですが、毎回の歯磨きで5種類のブラシを使い分けてブラッシングしています。
デンタルフロス、歯間ブラシ、超音波ブラシ、通常のブラシ(やや硬め)、先のとがった小さな歯ブラシのあと舌苔ブラシで締めます。
15分ぐらいかかるのですが、必ず鏡の前でブラシの当て方の角度を見ながらブラシしています。
今年の目標はプラークスコア0です。
2012年01月18日
とうとう脂肪融解レーザーのご紹介を申し上げるに至りました。
実は3年前の開業時から、脂肪融解レーザーの導入をずっーと検討しておりました。
しかし、過去に脂肪吸引手術ではっきりした効果を出してきた私にとって、心底「納得」させられるだけの器械に巡り合えず、導入を躊躇。
しかも新しい美容器械にすぐに飛びつくことを「浅ましい」「こざかしい」「ミーハー」と蔑んできた私にとって少々の効果では購入する気になれません。
八事石坂クリニックはだれが見ても効果がはっきりする施術、しかも安定した効果がでる施術を取り入れるのが信条です。
さらに巷では「脂肪融解レーザー」は初期の段階で効果がはっきりしない機種を夢のような効果のあるものとして紹介されてしまった経緯があり、疑心暗鬼におちいっていたのです。
ここにきてやっと効果に実績のある「脂肪融解レーザー」に巡り合うことができたことと、その効果をいかに最大に引き出すかのノウハウがわかってきたことで広く患者さんにお勧めすることができるようになりました。
施術症例写真を近日中にアップしますのでお楽しみにお待ちください。
さらにしばらくは脂肪融解レーザーによる顔やせのモニターも募集しますのでお問い合わせください。
2012年01月17日
大学受験の話のついでに・・医師国家試験のお話しを。
長男が今年、医師国家試験を受けます。
日程は2月10日ごろのようです。
ずーっと勉強しているのでしょう、最近では日に日に憔悴していくのが見てとれます。
時々、今の医師国家試験の状況を聞いてみたりするのですが、我々のころに比べるとあまりにかわっているので驚きます。
我々のころは、A B C問題という3種類の試験があり、A B問題は、基本問題で、C問題は、応用問題(心電図やレントゲン写真などをみて疾患を鑑別するのに必要な検査を選べ、など)でした。
A Bはそれ程大変ではありませんでしたが、C問題に対してはかなり準備をしました。
準備したと言っても電話帳ぐらいの厚さの過去問題集を例によってひたすら解く、といったオーソドックスなものです。
ところが今の国家試験はAからIまで9種類もあってそれを3日間かけて行うそうです。
しかも3日目に落し穴のような問題がまぎれていて、それを何個か間違えるといくら総合点がよくても落とされるらしいです。
医師はどんなに疲れていても絶対にミスを犯してはならない、ということなのでしょうか。
それほど過酷にみえる医師国家試験ですが、不思議なことに合格率は今も昔も変わらないようです。
今の医学生がよほど優秀なのか、我々の世代がボンクラだったのか・・。
しかも我々ぐらいの年まで、医師国家試験は年に2回あり、春に不合格でも秋の国家試験で合格することもできたのです(今は年に1回のようです)。
昔はのんびりしていてよかったな~、と思う今日この頃です。
2012年01月16日
大学入試センター試験がこの土日にあったようです。
来年は、うちの3男が大学受験の年になりますので、このように悠長にブログを書いていることができないかもしれません。
今となっては大学受験の勉強に親が口をだすこともありませんが(正確にはもうできない?)、子供たちの勉強方法をみていると自分のころとはずいぶんちがっているな~と思います。
私の勉強方法は、以前にも書きましたが、ずいぶんとシンプルでひょっとすると効率の悪いやり方だったのかもしれません(その方法のヒントは旺文社のラジオ講座から得ました)。
その方法とは、とにかく自分で問題集を買ってきてじっくり考えながら解く、そして自分なりに答えを出してみる、正解と照らし合わせる、自分になにが足りないかをチェックする、足りない項目のうち共通している根本的なことを調べ上げてそれを暗記する、残りの覚えてなくても何とかなるものはできるだけ忘れる・・。
そんなことを繰り返し勉強していました。授業はまじめに聞いていて、夜は12時前には必ず寝てました(受験当日までそのペースを崩したことはありません)。
この勉強法のいいところは、費用がそれほどかからない、ということと、体に無理をすることがない点です。
塾に行くわけでもなく、いるのはできるだけ解答の詳しい問題集が2~3冊、もしあれば参考書なければ教科書だけでも十分です。
(余談ですが、いまでも高校の時に使っていた教科書を大事に持っています(かれこれ35年前です・・)。何を考えていたのか・・、授業中でも教科書には一切書き込みをせず見るときも少しだけ開いて折り目も全くつけず、新品の状態をどれだけ保てるか友達と競い合っていました。馬鹿な高校生でした・・。)
あとは模擬試験を受けて同じように解答を詳しく見て自分に足りないものをチェックする。
そんな方法で受験勉強をのりきり、そのあとの医師国家試験もおなじような方法でやりました。
ただし、ひとつ忘れてはならないのは授業や講義を比較的まじめに聞いていたという点です。
見て勉強するよりも聴いて勉強するほうがあたまに残りやすいみたいです。
いまだに大学の講義で「あの先生がここのところでこの話をしていて、つまらない冗談をいってたな~」と覚えているのがとても不思議です。
いずれにしても、ごく一般的な勉強法だと思うのですが、今の受験生にいわせると「そんなので国立の医学部に合格するのは無理!」だそうで・・・
なんだか、昔はのんびりしていてよかったな~と思う今日この頃です。