
2011年11月27日
久しぶりに経済ネタです。
元来経済学者のいうことは信じられない、ということを申し上げてきました。
ノーベル賞のうち経済学賞などは、この賞を汚してしまうもの、この賞を新設した理由がわからない、というのが正直な気持ちです。
経済学者のいうことのうちで、将来の予想には全く価値がないのは明らかですが、過去の事例の分析には非常に興味深いものがあります。
日本の経済の最大の問題である財政再建を考えるうえで非常に示唆に富むデータがあるようです。
それは世界の国々のうちで過去のデータで財政再建が失敗した例に共通した政策は「増税」先行政策だそうで、逆に財政再建が成功した例に共通したものは「歳出削減」政策だそうです。
そして歳出削減のもっとも有効な政策は「社会保障費」削減。つまり国民にとってもっとも痛みのある部分にメスをいれないかぎり財政再建に失敗する可能性が大であるということです。
このデータを発表した経済学者に、データを取り上げる時点である程度の恣意があるとしても、過去の事例ほど確からしいものはありません。
これをふまえて今の日本(民主党)の政策を眺めてみると、歳出削減できない、社会保障費削減しない、増税はする、という財政再建失敗例の見本みたいな政策となっています。
日本の経済力の底力にはつゆほどの疑問を持ったことはありませんが、その足を引っ張る政治、その政治家を選んだ国民の愚かさには暗澹たるものを感じます。
政治も美容外科も同じですが、冷静に考えればどう見ても実現不可能と思える「甘い言葉」に要注意です。
2010年12月20日
昨日は、「医業承継」のセミナーに出席しました。
拝聴するまでセミナーの内容には全く興味がなかったのですが(失礼)、場所が名古屋の「暮雨巷」という会場だったので一度見てみたいという軽い理由で参加しました。
名古屋の高級住宅街のなかにひときわ静かな庭園があり、その中にある新館でセミナーを聞くことになりました。
敷地の中には、昔俳人などが集ったといわれる茶室とお庭などがあり、非常に由緒正しい場所であることを知りました。
本題のほうはセミナーの内容が内容だけにご高齢の医師が多くちょっと場違いな気がしましたが、内容は期待以上でとても興味深いものでした。
医療法人化した場合も含めて、クリニックの承継問題をいかに考えていくかということが少しわかりかけました。
もともと医療は公共性の高い性質を持っているため、事業を承継していくことは非常に大きな問題です。
この場合も医療経営の問題を避けて通ることができません。経営のことをしっかり考えていないと、承継できずに「廃業」を余儀なくされる場合も考えられるからです。
その場合に一番困るのは、患者さんです。
私のクリニックにとって承継の問題は10~15年以上先の話になるとはおもいますが、今から考えて準備をしておいても早すぎることはないのだと痛感しました。
2010年11月26日
11月もあと数日です。とてもあわただしい1カ月でした。
先日のハワイセミナーで一緒だった若い先生に「先生の経営セミナー、とても参考になりました!」といっていただけてとてもうれしい思いをしました。
経営セミナーとは、10月の京都の学会のモーニングセミナーの中で私が美容外科開業についてお話しした内容についてです。
そのなかで特に役に立ったのが「4冊の銀行通帳を上手に使う」という話だった、と言われました。
銀行通帳はほとんどの方が目にしたことがあると思いますが、これは日本の銀行の独特のサービスです。
海外の銀行に口座を持っている人なら経験があると思いますが、毎月あるいは隔月に送られる「ステートメント」とよばれる紙切れだけです。
外国の銀行にはこのような通帳(ブック)のサービスをしているところはあまりないようです。外国の人が、日本の「銀行通帳サービス」はとても有用だとほめていたこともあります。
わたしも銀行通帳は上手に活用すると、お金の管理がとても楽になると考えています。
さきほどのセミナーの話の内容ですが、それはクリニックを経営するうえで入金用、出金用、納税用、投資用の4冊の銀行通帳を使って管理をする、というとても簡単な方法です。
この方法の利点は、こまめに記帳していればその時点の入金状態と出金状態がリアルタイムで把握できキャッシュフローが一目でわかるということと、さらにお金の使い道を一般の出金用と納税用と投資用に分けることでお金がショートしないように上手に管理できるということです。
もちろんこの方法は、一般家計にも応用できるものです。とくにいろいろなところから収入がある家計には有用だと思います。
2010年10月20日
ミシュランガイド大阪京都神戸の新版が出たそうです。
私はグルメには興味がないので、ミシュランガイド東京版もみたことはありません。たまたまいったお店が載ったことのあるお店だった、ということがある程度です。
このガイドブックに掲載されることはお店にとって大変名誉なことのようです。
それにもかかわらず、何軒かのお店は選ばれたにも関わらず掲載を断ったそうです。
その理由が紹介されていましたが、ほとんどが「掲載することで今までのお客様に迷惑がかかる」というものだったそうです。
このガイドブックで紹介されることも意味があることだとは思いますが、こうして既存のお客様のほうを大切にするために掲載を断るお店の姿勢にも共感できます。
以前、このブログで「繁盛することの功罪」について語ったことがありますが、こういったお店の常連になっているお客さんは幸せですし、お店もきっと末永く続いていくのではないかと思います。以前の記事はこちら。
私のクリニックにもこのような常連患者様がおられますが、こういった患者様に満足していただけるよう普段は提供することのないサービスを行っています。
おかげさまで手術や施術を受けていただいている患者さんはそのほとんどがリピーターの方で占めています。
この方針が変わることはありませんし、この方針をもっと徹底していくためにどうしたら既存の常連患者様にさらなる満足とサービスを提供することができるかを常に考えています。
2010年10月15日
学会が終わって、1昨日のこと、久しぶりに近くの行きつけの大きな本屋で時間を過ごしました。
本屋に行くのは私の数少ない楽しみの一つです。本屋の中を心の赴くままに本や雑誌を手にとりながらうろうろ回っているといろいろな発見があります。
今の世の中のことを知ることはもちろんですが、自分が今この瞬間に何に興味があるのかを客観的に発見できるのもおもしろいです。
潜在的に興味のある本(自分は気づいていなくても)は何周回っても毎回その本を手にとってしまうようです。
今回もそんな本に出会うことができました。その本は~「ドラッカー 日本への言葉」望月護著~です。
今現在自分の中にふつふつとわいてくる疑問にはっきりとした答えを出してくれそうな予感がする、そんな本でした。
その疑問とは
「企業(もちろん美容医療も含めて)はなぜ利潤を追求するのか」
です。
その答えをオーストリアの経済学者シュムペーターの言葉を引用して
「利益は企業の存続のためのコストである」
と明確に示してくれました。
自分の中で、開業以来いつももやもやしていた疑問を一気に解決してくれた本、と言えそうです。
この本と出会えてよかった。
2010年10月01日
八事石坂クリニックは今日10月1日で3年目に入ります。
この2年間大勢の患者さんに来院していただいてこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
過去2年間を振り返って、反省すべきことは反省し、良かった点はさらに良くなるように改善していきたいと思っています。
具体的には現在の診療システムと料金設定を今月中に一部見直す予定です。
来週の学会で、経営セミナーの講師を引き受けた関係で、現在そのスライド準備に追われています。
そこでの私のメインテーマは、経営と診療をどのようにしてバランスを取っていくかということです。
当たり前のことですが、診療が主役、経営はわき役です。しかしわき役だからといって経営をおろそかにしてはいけません。
放漫な経営をしているとやがて知らず知らずのうちに診療に影を落としてきます。一番最初に脅かされるのは医療の安全性です。
医療の安全性が第一であることは美容医療に限りません。より高い安全性を求めていくと自然にコストがかかってきます。
しっかりした経営は医療の安全をまもる上でも非常に重要なのです。
それが重要なものであるならば、患者さんからは見えにくいところにこそコストをかける、というのが私の診療方針のひとつです。
その診療方針を支えてくれるものが、強い経営力であると考えています。
2010年08月20日
美容外科の手術によるトラブルの話です。元来、美容外科医療というのは人を幸せにするものです。それにも関らず、こういった話を話題にしなければならないのはとても残念です。
最近、複数の美容外科医療関係の人から聞いた話から分かったのですが、この業界でとても流行っている「あるクリニック」(最近はいわゆる独り勝ちだそうです)でのトラブルがとても多くなっているということです。
うちのクリニックにも同じようなトラブルにあった患者さんが来院されます。とてもお気の毒なのですが修正しようがないほどでした。
断っておきますが、私とそのクリニックとの間にはなんの利害関係もありませんのでそのクリニックのことをどうこういうつもりはありません。
私が言いたいのは、「繁盛することの弊害」です。
一般に商売が繁盛することはとてもいいことのように思われますが、そうばかりではありません。周りを見渡してもそういったお店が長続きしているケースはそれほど多くないことが分かります。長続きしていてもだんだん質が落ちてくることもあります。
美容業界もけっして例外ではありません。
術前に一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけてカウンセリングすればトラブルのほとんどを防ぐことができる、というのが私の信条です。せっかく来院された患者さんであっても、施術の適応がなければお断りするようにしていることも開院以来かわることはありません。
これらは基本中の基本なのですが、大がかりな宣伝をして商売が繁盛することで、そのどちらもできなくなることは火を見るより明らかです。
少数の常識ある患者さんに支えられている今の自分のクリニックにあらためて感謝の気持ちでいっぱいです。
2010年05月19日
美容外科クリニックの経営形態のなかで全国に展開しているいわゆる「チェーン店」と呼ばれるクリニックがあります。
われわれ一人で開業している「個人クリニック」とは根本的に経営形態が違いますのでそれが日ごろの診療方針にも少なからず影響しています。
時に個人クリニックからみるとチェーン店クリニックの無責任さはしばしば批判のまとになることがあるのですが、私はそうとばかりはいえないという立場をとっています。
大々的な広告をしながら全国主要都市にクリニックを設置し、患者さんをたくさん集めて手術をどんどん行うのがチェーン店の手法です。
チェーン店は医療的には疑問な点もないことはないのですが、とにかく「美容外科」というものを患者さんにとって身近なものにする、という点ではわれわれ個人クリニックにはどう逆立ちしても決してまねできるものではありません。
患者さんにとって身近に感じるのはテレビや雑誌などで名の知れた全国規模のクリニックであるのはまちがいありません。
良くも悪くも今までに美容外科の入り口を多くの患者さんに用意したという事実と、それによって生れた美容外科の需要により、われわれ現代の個人クリニックは拡大してきたこの業界の恩恵に浴しているということも忘れてはならない事実です。
私のクリニックに来院される患者さんはそのほとんどが過去にそういった規模の大きな美容クリニックを訪れたことがある患者さんなのです。
私はそれはそれでいいのではないかと思っています。まずは有名な美容外科クリニックで何らかの治療をうけて、そのなかでそういったクリニックでは満足できなかった一部の患者さんを我々のような個人クリニックが受け入れていく、といった棲み分けでも悪くないと思っています。
ただしこれは私個人の意見であって、患者さんがどうお考えになるか、最終的には患者さんがジャッジを下す大きな問題であります。
2010年05月17日
今は、食べ物屋さんを探すとき多くの人がネットを利用すると思います。
ネットでゼロから探すときもあるでしょうが、誰かから店の名前を聴いていて自分で詳しいことを調べるのにもネットを利用することが多いと思います。
ところがこのネット社会においてHPすらなくて電話番号しかわからないお店もあります。
そういう時、私はおなじサービス業の立場から「もったいないな~」と思ってしまいますし、同時に客の立場からはいらっとします。
せっかくそのお店の名前を知っている人が詳しいことを知ろうとしているのに何の情報も得られない、詳しい地図すらない、というのでは「この飲食店、お客さんに本当にきてもらいたいのかな?」と思ってしまいます。
お店の案内看板についても同じことを思います。近くまで来ているお客様を案内する看板に在りすぎはありません。
お店を知ってもらうきっかけを作る広告も大事だとは思いますが、せっかく知ってもらった人により詳しく、親切に情報を提供する広告をおろそかにしてはいけないと思っています。
その意味でこのHPにはできるだけ患者さんのお知りになりたい情報を満載にしたいと思っています。もし「HPにこんな情報を載せてほしい」ということがありましたら、コメントやメールでお知らせください。
2010年04月30日
いまやクレジットカードは日常生活での必需品になりつつあります。クリニックでもクレジットカードを使う人が多くなっています。
クレジットカードは支払うほうも受け取るほうにもいろいろなメリットがあります。
一番大きいメリットは現金を用意しなくてもいい点です。
ところがこれが逆にデメリットになることもあります。
支払いが後になるということは精神的についつい買いすぎてしまう傾向があるからです。また困ったことに、大部分の人は実際の請求金額より常に少なく考えてしまうそうです。
クレジットカードを使った人なら、月遅れで送られてくる請求書をみて「こんなに買った覚えがない」とびっくりしてしまうという経験があると思います。
もうひとつのメリットはクレジットカードで支払うことで無利子で1~2か月の借金(支払い猶予)ができることです。(ただしこれは支払い回数が1回に限ったことでリボルビングなどは利子が発生します。)
手数料(利子にあたる)は支払いを受けるほうが負担しているからですが、これは消費者からは意外と気付かないことです。
これを利用して、新幹線の切符をクレジットカードで購入して、すぐ払い戻しを受けて現金化する、ということをしていた人もいたようです(今はクレジットカードで購入した切符にはCマークがついていて現金での払い戻しはできないようになっています)。
いずれにしてもクレジットカードは賢く使えば消費者の強い味方になりますが、その使い方でその人のいわゆる「ファイナンシャルインテリジェンス」もわかってしまうというところが怖いところです。